在インド日本大使館は2021年5月8日、インド文化を歪曲した動画を日本人が投稿したため、大使館に苦情が寄せられていると明かした。
同日には、インドを題材にした新曲に批判が相次いだとして、日本の音楽グループ「Candy Foxx」(旧レペゼン地球)が謝罪している。
「日本人の印象が悪くなった」
Candy Foxxは5月5日、新曲「Namaste!! CURRY POLICE」のミュージックビデオをユーチューブに投稿した(現在は削除)。
「カレーポリス」を名乗る陽気なインド人男性が描かれ、「カレー以外食べたことがない」と豪語する。この男性が来日し、寿司カレーを提唱してブームを巻き起こす――とのストーリーだ。
チケット代わりにナンでフェリーに乗車しようとしたり、ヒンドゥー教の神「ガネーシャ」をランプから登場させたりと、インドの食文化や宗教を面白おかしく描くシーンも登場する。
動画は、国内外で大きな反発を呼んだ。SNS上では英語やヒンドゥー語などで「動画はインドに対する嘘と固定観念に基づいている」「日本人の印象が悪くなった」などとコメントが相次ぎ、インドの現地メディアでも批判的に報じられた。
大使館「インド人の友人が不快な思いをしたことは遺憾」
Candy Foxxは5月8日、ユーチューブで「動画は視聴者を楽しませる目的でしたが、無知により反対の結果を招いてしまいました」「私はインドの文化を本当に尊重し、気分を害する意図はないと信じて欲しいです」とコメントし、「心からお詫び申し上げます」と謝罪した(原文は英語、編集部訳)。
同日には、在インド日本国大使館もフェイスブックで声明を発表した。
「インドの文化を歪めた動画が5月5日、一部の日本人によってYouTubeに投稿されました」と騒動に触れ、「この動画は日本とインドの市民の間で論争を引き起こし、多くのインド人の友人が日本大使館に苦情を申し入れました」と報告した。
「現在、動画は削除され、投稿した日本からは心からのお詫びの言葉をいただきました。このような不適切な動画により、多くのインド人の友人が不快な思いをしたことは遺憾です」と大使館の見解を伝えている(原文は英語、編集部訳)。
J-CASTニュースは10日、大使館広報文化班に苦情の数や主な内容などについて問うと、「本件につきましては、当館Facebookで表明したことが全てであり、お問い合わせの内容にお答えすることは致しかねます」と返答した。