中日・根尾昂は「遊撃に戻らない方がいい」 チームOBがこう提言する理由

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   中日ドラゴンズ・根尾昂はやはり絵になる男だ。

   2021年5月4日のDeNA戦(バンテリンドームナゴヤ)。1点リードの3回1死満塁でDeNA・大貫晋一の142キロのツーシームを引っ張ると、打球は右中間スタンドへ。プロ初アーチがド派手な満塁本塁打となり、試合後のお立ち台で「やったーって感じでしたね。ナイスバッティングと監督、コーチ、先輩方に言って頂けました」と穏やかな笑顔を浮かべた。

  • 中日・根尾の適性ポジションは?(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
    中日・根尾の適性ポジションは?(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
  • 中日・根尾の適性ポジションは?(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

外野守備でチームに貢献

   まだまだ課題は多い。6日現在で打率.182、1本塁打、11打点。与田監督が開幕から我慢強く使い続けているが、現時点での力量なら根尾より能力の高い選手はいる。だが、選手は実戦で使わなければ育たない。根尾は今後の伸びしろ、将来の主力としての期待を込めて起用されている側面はあるだろう。

   ただ、左翼での守備能力は非常に高い。俊足を生かした守備範囲と強肩でチームを再三救っている。

   4月6日のDeNA戦(バンテリンドームナゴヤ)では、初回2死二塁のピンチで佐野恵太の左前打を前進して捕球すると、素早い返球で本塁へワンバウンドのストライク返球。俊足を誇る二塁走者・桑原将志を刺し、先制点を阻止した。

   今季でプロ3年目を迎える根尾は遊撃の定位置奪取を目標に掲げていた。

   球界屈指の堅守を誇る京田陽太の壁は高いが、抜群の身体能力を誇る根尾も遊撃にはこだわりがある。ただ、オープン戦に入ると守備位置は左翼に。出場機会を求める根尾は外野でアピールを続けている。

「そもそも生粋の遊撃手ではない」

   実は中日OBの中で「根尾は外野の方が適性がある」という見方が多い。あるOBは次のように見る。

「根尾はそもそも生粋の遊撃手ではない。大阪桐蔭の時も投手と遊撃手の二刀流で、同期の広島・小園海斗と比べても遊撃での完成度は小園の方が上です。根尾は強肩だがスローイングに難があるので遊撃は厳しい。外野の方が俊足と強肩も生かせるし、能力を生かせる。
ベテランの大島洋平は3割を軽く超えるハイアベレージですが、中堅の守備範囲が全盛期より狭くなり、肩も強くはない。チームの将来を考えると根尾が中堅に入り、大島は守備の負担が少ない左翼に回った方がスムーズにいくと思います」

   球界を代表する外野手に慣れる可能性を秘めた根尾を今後どのように育てるか。球団のビジョンが注目される。

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