なぜサウジは初の「長編アニメ」を日本企業と作ったのか? 制作会社が明かす壮大な「国際戦略」

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若者の力でサウジのコンテンツ業界を盛り上げる

   またサウジアラビアと比べて日本は、クリエイティブ業界について非常に長い歴史があるという。

   そこでマンガプロダクションは2018年、日本のアニメ・ゲームの作画や制作などにインターン生を送り込んだ。アニメ・ゲーム分野の受け入れ先は、スクウェア・エニックス、東映アニメーション、SNKだった。

「私たちは、熱意のあるサウジアラビアの若者達が、彼らが理想とするキャリアパスを形成出来るよう、国際的な大企業や、確立された教育・研修、またインターンシッププログラムとの連携を図っています。 これらの機会を通して、クリエイティブ業界の様々な分野におけるサウジアラビアの若者達の知識及び技能開発や研修などの実質的なサポートを提供出来るよう努めております」

    現在は300人の学生が国際的な企業7社で、ゲーム、漫画、アニメの研修を受けているという。こうした機会で培った技術は、映画にも生きてきているそうだ。マンガプロダクションは若者たちの活躍に大きな期待を寄せている。

「『ジャーニー』は、サウジアラビアの人財やアーティストをサポートし、若者の才能に投資した結果、生まれた作品であると言えます」
「若者に可能性を与え、彼らを信じることにより、彼らは必ず成功し結果を出すことを学びました。学生達の創造性のレベルは非常に高く、そんな彼らの夢を支え、業界全体を底上げする為にも、より多くの研修や教育の機会を増やしていかなくてはならない、と思わせるようなものでした」

   そうして出来上がった「ジャーニー」については、SNS上で「気になる」、「面白そう」といった期待の声が寄せられている。マンガプロダクションは公開に向けて、こう抱負を語った。

「私たち、マンガプロダクションズはサウジアラビアの文化を世界の皆様と共有出来ること、そして、アラビア半島の歴史的な物語を紹介出来る機会を持つことが出来たことを非常に嬉しく思っています。
『ジャーニー』は明日のヒーローを鼓舞する作品として、中東及び世界の映画業界において、マンガプロダクションズの良いスタートとなるでしょう」

   同社はオリジナルアニメを作り、見た人が元気づけられるようなマンガやゲームを制作していくという。そのうえで、サウジアラビア経済の多様化に貢献出来る作品を作ることを目指すと意気込んだ。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

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