最も苦労したのは「ボディーランゲージ」の違い
そんなサウジアラビアのマンガプロダクションズと、日本の東映アニメーションが共同で制作したのが長編アニメ「ジャーニー」だ。マンガプロダクションズは「両方の精神の融合を肌で感じられるような刺激的で素晴らしい映画を制作することが出来た」と満足げに語る。
アニメの制作現場では、どのように二国の文化が交わっていたのだろうか。マンガプロダクションは、日本の歴史や伝統を大切にする姿勢には親近感を覚えたとしている。
「国が持つ豊かな遺産や伝承を守っているという姿勢において、両国は非常に似ていると思います。私たちは家族を大切にし、目上の方や両親を尊敬し、お客様をもてなす心を大切にすると共に、伝統的な鷹狩やイスラム教における行事では贈り物を贈り合うことなども大切にしています」
一方で、キャラクターデザイン、服装、小道具やボディーランゲージにおいては文化的違いを感じたという。中でも苦労したのはボディーランゲージだったそうだ。
「スタッフは現地の歴史家の方の助言も仰ぎながら、映画全体の独創性は保ちながらもシーン毎にそれぞれのキャラクターの正確さを常にチェックしながら、慎重に作業を進めました。
もっとも大変だったことは、日本とサウジアラビアのボディーランゲージの違いです。サウジアラビアチームは、アラビアのボディーランゲージを日本チームに理解して頂けるよう52バージョンにも及ぶビデオを作成すると共に、毎週実演も行いました」