「僕はきのこの山派です たけのこは土に埋まっとけ」。こんなポップが埼玉県鴻巣市内のスーパー「ロピア 吹上店」のお菓子売り場に掲げられ、その写真がツイッターに投稿されて話題になっている。
明治のチョコスナックを巡る「きのこの山」VS「たけのこの里」論争に、スーパーが参戦したのはなぜだろうか。お菓子売り場の担当者に詳しく話を聞いた。
「吹上ロピアを支持します」「宣戦布告か」
積み上げられた「きのこの山」の箱の上に、このポップが掲げられている。ポップには、「絶対きのこの山のが美味しい」との添え書きも付いていた。
右側に少しだけ見える積み上げられた箱は、「たけのこの里」だ。
この売り場写真は、2021年5月3日にツイッターで投稿された。
投稿者の「ゆーすけ」(@forza_consadole)さんによると、写真では見えないが、「土に埋まっとけ」を表現してなのか、一番下の段には全部「たけのこ里」の箱が積んであったそうだ。ゆーすけさんは、何かとクレームが寄せられがちなこのご時世にあって、攻めたポップでとても楽しめたと感想を書いていた。
投稿写真は、すぐに話題を呼んで、5000件以上もリツイートされている。
きのこの山派からは、「きのこの山こそ正義!!」「吹上ロピアを支持します」「山の者の聖地でいいだろ」と感謝の声が続々と寄せられた。
一方で、たけのこの里派からは、「宣戦布告か・・・ならば全面戦争だ」「竹の子美味しいのに」と残念がる声が出た。また、元女子レスリング日本代表で五輪4大会連続メダリストの吉田沙保里さん(38)がたけのこ党を自称していたことから、「吉田沙保里さんっ!!お願いします」とその登場を期待する向きもあった。
「目立たせたいだけで、たけのこの里派を貶めるつもりはない」
長く続くネット論争だけに、発売元の明治も、過去に「どちらが美味しいか」を巡って総選挙までしている。その度にデッドヒートを繰り広げ、両陣営とも一進一退を続けたが、同社が2020年9月に行った国民大調査では、全国47都道府県のうち、福島県を除いて「たけのこ愛」の量が「きのこ愛」の量を上回った。
ロピア吹上店のお菓子売り場を担当する男性店員は5月4日、J-CASTニュースの取材に対し、このポップを掲げた理由を次のように説明した。
「一言で言えば、目立たせたいということです。肉や魚でしたら、きれいに見せるために腕が要りますが、こちらはポップなどで差別化するしかできません。そこで、4、5日前に、数多くのお客様に見てもらえるように出しました。ネットで話題になったことは、部下から聞いて知りましたね」
ヤフー・リアルタイム検索のトレンドで、同日昼過ぎに一時トップ10入りしており、トレンド入りしたことを伝えると、「そうなんですか。目に留まって、すごくうれしいですね」と話した。
ネット論争は意識したというが、このようにも説明した。
「論争をあおるためではなく、たけのこの里派を貶めるような意図もないです。下の段に箱を積んだのは事実ですが、たまたまそんな並び方になっただけです。たけのこの里の方が1.5倍は売れますので、入荷が多くて量の違いで下の段にも積みました。深い意味があって、やっているわけではありません」
ツイートを見て来店する客もおり、現在は、きのこの山の方が売れているそうだ。
「たけのこの里派の方が多いようですが、きのこの山が不遇なのが気になっていました。僕自身は、きのこの山が大好きで、おいしいと思っています。チョコと下の棒を分けて食べるのが好きですね」
なお、両商品とも、同じ129円(税抜)で、価格に差は付けていないとしている。
写真を投稿した前出のゆーすけさんは4日、取材に対し「私のツイートには店舗や売場担当の方にクレームを入れたいという意図はなく、面白い売場があること、楽しい売場担当の方がいらっしゃることを発信したかった。店舗や売場担当の方にクレームや悪意のあるいたずらなどはせず、節度をもっていじりましょう」とコメントした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)