「取り急ぎお礼まで」でメールの返信を終わらせるのは失礼なのか。こんな議論が、2021年4月下旬からツイッターを中心に続いていることをご存じだろうか。
何ら問題ない、いや好ましくないなどと、ネット上でも意見が分かれるこの問題。正解はあるのか、ビジネスマナー講師の見解を聞いた。
拒否感を示すユーザーも
普段、何気なく使っている表現の内の1つである「取り急ぎお礼まで」。
確かに、メールを締める際には便利な表現だが、ふと、それが「失礼である」との指摘を目にすれば、その「何気なく使ってきたことに」に一抹の不安を感じることは無理もないことであり、それが、今回、多数の人の反響を呼んだということだろう。
その是非をめぐっては賛否が分かれており、例えば、「失礼だ」という意見に賛成するユーザーからは、
「取り急ぎお礼までって言われると、『まだ確認してないけどとりあえずありがとな!』って感覚がする」
「確かに『取り急ぎお礼まで』て意味わからんな」
といった声が。
その一方で、「失礼クリエイター」なるフレーズを使って、「取り急ぎお礼まで」は失礼であるとする層を揶揄するツイートも。
「本当にこうした『失礼クリエイター』は日本の害悪。こうした『失礼クリエイター』の跳梁跋扈が日本の生産性を落としている」
「もう『取り急ぎお礼まで』は『失礼じゃないこと』にしましょう。そうすれば解決します。こんなことにこだわっているから効率が悪くなるのです。本当にくだらない」
敬意が足りないと感じられてしまう可能性も...
そこでJ-CASTニュース編集部は、「取り急ぎお礼まで」でメールを終わらせることは失礼なのか否かについて、企業研修事業を手がける株式会社アイディペンデントふよう代表取締役でビジネスマナー講師の篠原あかね氏の見解を聞いた。
「『お礼まで』のように『○○まで』では、相手によっては上から目線で敬意が足りないと感じる可能性があります。文章は『です・ます』のように最後まできちんと書くべきであることを考えると『お礼申しあげます』とした方が印象が良いと思います」(篠原氏)
加えて、「取り急ぎ」が付いた表現は「感謝の気持ち」を伝える際には不向きな可能性があると指摘しつつ、
「私見ですが、『感謝の気持ち』を伝えるのであれば『まずはお礼申しあげます』と記して、日を改めて対面または電話で直接お礼を述べる。または改めて丁寧なお礼メールを送るほうが良いかと思います 」
と具体的なアドバイスを送った。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)