旅行の楽しみのひとつが機内食だが、コロナ禍で海外旅行が難しくなり、口にする機会がなくなった人も多い。だが、海外旅行に行かなくても機内食を楽しめる機会は増えつつある。
例えば航空各社が企画する遊覧飛行では機内食がアピールポイントになることも多い。さらに、通販サイトでは空港ラウンジで人気のカレーや機内食が好評で、地上で旅行気分を味わうこともできる。海外旅行ができるようになる日までは、「空の食」をめぐる地上での商戦が活発化しそうだ。
ANAは機内食のメインディッシュ12食入りを9000円で
2020年は、少しでも海外旅行気分を味わってもらおうと、遊覧フライトが多く企画された。もっとも特徴的だったのが、ハワイをテーマにしたフライトだ。全日空(ANA)は、元々は成田-ホノルル線のために導入した愛称「フライング・ホヌ」(空飛ぶウミガメ)で知られる超大型旅客機のエアバスA380型機、日本航空(JAL)はホノルル線のために人気アイドルグループ「嵐」のメンバー5人の顔写真をペイントして就航させた「ARASHI HAWAII JET」を、それぞれ使って遊覧飛行を行っている。いずれも、機内は「ハワイ仕様」。フライトで出される機内食も、その一部だ。
遊覧フライトだけでなく、地上でも国際線の機内食を味わってもらおうという取り組みが進んでいる。ANAは20年12月、国際線エコノミークラスの機内食、機内で出される「ANAオリジナルドリンク『香るかぼす』はちみつ入り」、羽田空港と成田空港の国際線ラウンジで提供しているオリジナルチキンカレーを「ANA's Sky Kitchen」と銘打って公式通販サイトで発売。価格は、機内食はメインディッシュ12食入りで9000円、オリジナルドリンクが1リットル入り6パックで2700円、オリジナルチキンカレーが3キロ入りで4500円、といった具合だ(いずれも税込)。機内食は数量や時期を区切って繰り返し販売されており、4月26日に売り出した分は同日中に完売。次の売り出しは5月10日だ。