「ウマ娘」が再び証明した、ゴールドシップの魅力 リアルもゲームも変わらない「破天荒ぶり」

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そしてウマ娘の世界でも理解不能

   記録にも記憶にも残るゴールドシップは、ウマ娘の世界でも、やはり理解不能だ。

   たとえば育成3年目の夏合宿終了時にいきなりゴールドシップからクイズを出され、なにかが7個だと言う。出てくる選択肢は「合宿中に割ったスイカの数」「合宿中に拾ったセミの抜け殻の数」、どっちなのかを答えねばならない。俺は何に答えているのだろう......。

   ちなみにどちらを選んでも得られるステータスはランダムなので意味はない。悩むところではないのだが、いろんな意味で悩むのである。

   さらにはゴールドシップがレースを走る目的は、ウマ娘にとっての理想郷「エデン」を探すことだという。「彼女」がレースで活躍してキーワードを集めるという謎ストーリーはシナリオをクリアしても何なのかよくわからない。そして普段の会話では「将棋王を目指す」と言い出すのにアニメでは碁を打ち、トレーニング中にかかわらず雀牌を洗う洗牌をやりはじめる始末だ。

   G1を勝てばドロップキックをお見舞いされ、ゲーム的に直接出る影響としては宝塚記念を連覇すると、勝ったはずなのにマイナススキル『ゲート難』を頂戴する可能性がある設定。どの面を見てもメチャクチャなのだ。気になる、気になる......なんだ、史実のゴールドシップと「わけわからん」点は一緒じゃないか!そして、気がつけば、私が一番育成を試みているのがゴールドシップになってしまったのだ。

   攻略困難なのはキャラクターだけではない。ゴールドシップに固有で設定されているスキルに『不沈艦、抜錨ォッ!』というものがある。レース中間からロングスパートをかけて速度が少しずつ上がる、というものだが、このスキルの発動条件が「レース中盤時点で全体より後ろ(18人出走していた場合10人目以降)」に位置していなければいけないのだが。強すぎるとレース中に前に出てしまい、後方にならずスキルが発動しない、という問題がある。

   これを発動させるために先程紹介した『ゲート難』スキルをあえて獲り、出遅れをひどくすることで確実にゴールドシップが後方になるようにするという、2015年の宝塚記念でいきなり立ち上がって出遅れ、馬券約120億円が紙屑と化した状況にわざと持ってくるというゲームならではの攻略法まで出始める始末なのだ。

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