2020年に国内で公開され、日本映画歴代最高興行収入を記録したアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、21年4月22日から中南米で、23日から北米でも公開が始まり、順調な動員を記録している。アメリカでは公開から3日間での外国語映画の興行収入を更新した。
「鬼滅の刃」は海外でも旋風を巻き起こしているが、その様相は...
煉獄杏寿郎は「GOAT」その意味は?
「鬼滅の刃」の英訳タイトルは「Demon Slayer」、悪魔(Demon)を殺す者(Slayer)という意味になる。北米のネットユーザーはツイッターなどに「#DemonSlayer」のハッシュタグで感想を投稿して盛り上がっている。作中の「鬼」は悪魔や悪霊を意味する「Demon」に訳された。
日本で「無限列車編」で人気を集めたのは興行収入にかけて「300億の男」ともファンから呼ばれた鬼殺隊士の炎柱・煉獄杏寿郎だが、彼の人気は海外でも同じだ。煉獄杏寿郎にファンが贈った尊称は「GOAT」。ヤギ(goat)と同じスペルになってしまったが、これは「Greatest of All Time」の略で、「史上最高」を指すワードである。
もともとはスポーツ・芸能などさまざまな分野で卓越した人物に贈られていて、たとえばバスケットボール界でその呼び声が高いのはレジェンド、マイケル・ジョーダン氏。男子テニス界ではロジャー・フェデラー選手、ラファエル・ナダル選手、ノバク・ジョコビッチ選手らを巻き込んでGOAT論争が起きることもある。
スペイン語では「夜の守護者」
欧米での「鬼滅の刃」のタイトルは「Demon Slayer」が主流で、ドイツやフランスでもこのタイトルで単行本が発刊されている。しかし、スペイン語圏では「Guardianes De La Noche」で、「夜(Noche)の守護者(Guardians)」と訳されている。このタイトルには日本のファンも「素直にかっこいい」と「Demon Slayer」以上に好印象を抱いているようだ。
そのスペイン語圏でもメキシコで公開初日の4月22日に約7万5000人を動員、メキシコ国内映画動員数トップを記録するなど好調だ(JETRO調べ)。日本国内では興行収入400億円にせまり、煉獄杏寿郎が「400億の男」となるのも間近だが、北米・中南米での旋風は始まったばかりで、さらにヨーロッパや中東での公開も計画されている。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)