「12球団で最もハイレベル」と評される巨人の正捕手争い。
開幕29試合を終えて、スタメン出場の内訳を見ると、大城卓三が25試合で最多。続いて炭谷銀仁朗が4試合で続く。4月7日に昇格した岸田行倫はスタメン出場がなく、途中出場で3試合マスクをかぶっている。
かつての正捕手・小林誠司は6試合の途中出場で、岸田と入れ替わる形でファーム降格した。
「数字に表れない貢献度が高い」
大城は「打てる捕手」として評価が高い。
一方で、西武からFA移籍3年目の炭谷は経験豊富なキャリアから引き出される配球術に定評があるが、巨人ファンからは辛らつな声が多い。SNSやネット上では、
「炭谷が若手の良さを巧く引き出しているとは思えない。大城を一塁で使う時は、捕手は炭谷でなく岸田を使ってほしい」
「小林は打てないのを理由に2軍降格したけど、炭谷も開幕から11打数無安打でヒットを1本も打っていない。リード、肩を見れば小林の方が上。なぜ起用されるのかわからない」
などの指摘が。
これらの批判に、スポーツ紙の遊軍記者は反論する。
「炭谷は数字に表れない貢献度が高い。決して目立たないですが、玄人好みの選手で若手投手の能力を引き出すことに長けている。西武時代は菊池雄星(現マリナーズ)が絶大な信頼を寄せて、菊池が投げる試合は森友哉でなく炭谷がマスクをかぶっていました」
戸郷を育てたのも炭谷?
同じ記者はさらに続ける。
「巨人でも戸郷翔征が高卒2年目の昨季に9勝とブレークしましたが、18試合の先発登板のうち、炭谷が17試合で先発マスクとほぼ『専属捕手』でした。戸郷の急成長は炭谷のサポートが非常に大きい。
18年オフに西武からFA宣言した時も数球団で争奪戦になりました。良い捕手として評価されている証だと思います」
大城が正捕手の座をつかみつつある中、炭谷も首脳陣の信頼は厚い。3番手に岸田、ファームに小林という序列になっている。
ペナントレースは長い。大城がこのまま不動の正捕手に成長するか、それとも炭谷、岸田、小林が巻き返すか。他球団がうらやむ豪華捕手陣の競争に要注目だ。