カプセルは今でも交換可能
実はカプセルは現在の技術でもいつでも生産・取り換えが可能だが、こちらも交換コストが1室1000万円を超えるために実現に至っていない。「建設当時、カプセルは25年程度での交換を想定していたのですが、結果的に49年間交換されないままで、配管なども劣化しています」(前田さん)とのことで、老朽化を防ぐコストがかさみつつある。
「カプセルのオーナーとしてもこのビルを残したいと思いここまでやってきましたが、管理組合では大規模修繕などを実現するのが難しい状況でした。残したい建築で国内外に注目してくれる人も確かにいます。ビルの存廃については、まだ確定的なことは言えません」(前田さん)
中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトでは、5月以降も引き続きビルの見学ツアーを催行していく。築49年を経ても建築ファンからの視線は衰えていない。
(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)