「性表現を自らの意思で扱う自由」
木村さんが「日本芸術労働者協会」を立ち上げたのは芸術労働者の地位向上のためで、ストリップのみを特別視するものではない。
「私は『ストリップも芸術だからわいせつではない』と言うつもりはありません。ある表現が芸術だと思うかどうかは人それぞれです。もっと広く『性表現』を守りたいのです。
性について語ることやそれを表現することはタブー視される時代もあれば、非常に開放的だった時代もありました。そして現代は、特に90年代ごろからのエイズ禍をきっかけとした社会的偏見の露呈に対抗して、性について語ること、表現することの重要性が訴えられてきました。そのような流れの中で今は、性表現を見たくない人には見ない権利を尊重した上で、できるだけ性表現の自由を守っていこうというのが性表現に関わる人々の共通認識となってきています。
『性』には様々な形があり、それは個人の意思に委ねられるべきものです。
『性』についての考え方を他人に押し付けることこそ問題なのです。今の法律はある『性』についての考え方を国民に押し付けている状態だと思います。
セックスワーカーに対する偏見は今も非常に厳しいですが、職業に貴賤はありません。自らの意思で自分の職業を選ぶ自由を摘発という形で侵害しないで欲しいのです。
セックスワーカーでなくても、性表現を自らの意思で扱う俳優、ダンサー、モデル、アーティストたちの自由も守られなければなりません」(木村さん)
(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)