社民党がJRに「謝罪要求」声明、伊是名夏子さん「車イス乗車拒否」で 広報に見解を聞いた

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   コラムニストで社民党全国連合常任幹事の伊是名夏子さん(38)がJR東日本に車イスでの乗車を拒否されたと訴えたトラブルで、同党は、今回の対応への見解と伊是名さんへの正式な謝罪をJR側に求める声明文を公式サイト上などで出した。

   障害者差別解消法に規定された合理的配慮の姿勢もJR側に感じられないとして、その改善も求めている。これに対し、JR東日本横浜支社は、「合理的配慮はしたが、説明が不十分ならお詫び申し上げる」とコメントした。

  • 伊是名さんへの謝罪を求めた社民党公式noteの声明文
    伊是名さんへの謝罪を求めた社民党公式noteの声明文
  • 伊是名さんへの謝罪を求めた社民党公式noteの声明文

「誤解に基づく抗議や障害者の人権を無視する声があり、事の重大さを鑑みた」

   このトラブルでは、伊是名さんが2021年4月1日に静岡県内の無人駅「来宮駅」を車イスで利用しようとして、JR側が階段しかないため利用できないと当初説明したが、熱海駅の駅長ら4人が要望通りに対応していた。

   その後、伊是名さんは、この経緯をブログで説明したが、ネット上で賛否が分かれる議論となり、社民党が公式ツイッターなどで伊是名さんの訴えに理解を求める投稿をしていた。

   そして、社民党は、4月26日になって、コンテンツ配信サイト「note」の公式ページで、「障がい者の移動の権利を守るために-伊是名夏子常任幹事のJR乗車拒否問題についての見解-」と題する声明文を服部良一全国連合幹事長名で発表した。翌27日には、同党の公式サイトでも、同じものをアップしている。

   声明文では、伊是名さんは、JR側から「事実上の乗車拒否にあいました」と主張し、事実関係の説明と見解を明らかにするとした。その理由としては、誤解に基づく抗議や障害者の人権を無視する内容の電話やメールがあり、事の重大さに鑑みたことを挙げた。

   まずトラブルの経緯についての説明が、ブログと同様な内容で簡潔にまとめられている。来宮駅は、2015年3月から無人化し、住民からエレベーター設置の要望も出たが、バリアフリー化は実現しないまま障害者や高齢者の利便性が後回しにされていると指摘した。

「タクシーの手配や、可能な範囲で来宮駅での介助対応を行った」

   そして、JRは、現場の駅員任せで、障害者への合理的配慮の努力義務を履行するのに必要な施設整備や人員配置の取り組みが不十分だと訴えた。代替手段を考える合理的配慮の姿勢も感じられないと批判して、改善を求めている。

   伊是名さんの行動や人格を攻撃する誹謗中傷が1か月近く経っても止まないのは、「JRが対応の過ちを認めず、伊是名さんに謝罪をしていないため、伊是名さんがあたかも『加害者』のように扱われてしまったことも一因だといえるでしょう。JRには今回の対応への見解と伊是名さんへの正式な謝罪を求め、今後の改善につなげていただきたいと考えます」としている。

   そのうえで、障害者の権利について、次のように主張した。

「障がい者を含むすべての人の移動の自由は権利です。公共交通機関を利用する際に、丁寧に事前連絡をしたり、乗車許可を得ることも、移動の直接的な提供に関わった人々に感謝を強要されることもありません。車イスユーザーをはじめとする障がい者が移動する場合にのみ、これらが必要となることが当たり前であるならば、それは障がい者差別に他なりません」

   JR東日本横浜支社の広報室は4月27日、社民党の声明文について、J-CASTニュースの取材に次のようにコメントした。

「当社では、お客さまのご要望を承りつつ、代替手段であるタクシーの手配や、可能な範囲での駅係員の手配による来宮駅での介助対応を行っており、『合理的配慮の提供』を行ったものと考えております。その上で、お客さまへのご説明が十分でなかった点や誤解を招いてしまった点があればお詫び申し上げるとともに、今後より良いご案内ができるよう、ハード・ソフトの両面で、様々な点について検討してまいりたいと考えております」

   なお、「現時点で同党から当社宛に要請文等は届いておりません」としている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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