「タクシーの手配や、可能な範囲で来宮駅での介助対応を行った」
そして、JRは、現場の駅員任せで、障害者への合理的配慮の努力義務を履行するのに必要な施設整備や人員配置の取り組みが不十分だと訴えた。代替手段を考える合理的配慮の姿勢も感じられないと批判して、改善を求めている。
伊是名さんの行動や人格を攻撃する誹謗中傷が1か月近く経っても止まないのは、「JRが対応の過ちを認めず、伊是名さんに謝罪をしていないため、伊是名さんがあたかも『加害者』のように扱われてしまったことも一因だといえるでしょう。JRには今回の対応への見解と伊是名さんへの正式な謝罪を求め、今後の改善につなげていただきたいと考えます」としている。
そのうえで、障害者の権利について、次のように主張した。
「障がい者を含むすべての人の移動の自由は権利です。公共交通機関を利用する際に、丁寧に事前連絡をしたり、乗車許可を得ることも、移動の直接的な提供に関わった人々に感謝を強要されることもありません。車イスユーザーをはじめとする障がい者が移動する場合にのみ、これらが必要となることが当たり前であるならば、それは障がい者差別に他なりません」
JR東日本横浜支社の広報室は4月27日、社民党の声明文について、J-CASTニュースの取材に次のようにコメントした。
「当社では、お客さまのご要望を承りつつ、代替手段であるタクシーの手配や、可能な範囲での駅係員の手配による来宮駅での介助対応を行っており、『合理的配慮の提供』を行ったものと考えております。その上で、お客さまへのご説明が十分でなかった点や誤解を招いてしまった点があればお詫び申し上げるとともに、今後より良いご案内ができるよう、ハード・ソフトの両面で、様々な点について検討してまいりたいと考えております」
なお、「現時点で同党から当社宛に要請文等は届いておりません」としている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)