2021年4月25日から東京都などに発出されている緊急事態宣言。翌26日には小池百合子都知事が、宣言が出ていない周辺県の商業施設に都内から人が流れている状況について、「都県境は越えないでほしいと伝えている。しっかり守ってほしい」と苦言を呈した。
この発言を受けて、その周辺県に住むとみられるツイッターアカウントから、「翔んで東京をするしかない? 通行手形発行とか」といった声が上がっているのだ。
「翔んで埼玉」ならぬ「翔んで東京」!?
同様の声は他にもあり、「都民に通行手形持たせろ! #翔んで東京」といったツイートも。これら「翔んで東京」というフレーズだが、その語源はやはり、2019年に公開された映画「翔んで埼玉」のようだ。
同作は、埼玉県民が東京都内に入境する際には通行手形の提示を要求されるなど、さまざまな「差別」を受けているという架空の世界を描いた作品で、その様子が痛快であるなどの反響を巻き起こした。
つまり、こうした作品の内容をパロディする形で、
「翔んで埼玉ならぬ、翔んで東京な時代になっちゃうわ。通行手形?パスポート?作って」
と、映画とは逆に都民に通行手形の提示を要求してはどうかというツイートが出ているのだ。
実際、20年5月20日に開かれた衆議院予算委員会では、コロナ対策に関して招致された専門家が「国内パスポート」に言及する一幕があったほどであり、もはや、「翔んで埼玉」の作中の光景が全くの絵空事ではなくなったとも言えるのだ。
都知事の「踏み絵」提案するユーザーも
他にも、昨今の東京都の状況を「翔んで埼玉」になぞらえる声が上がっている。あるアカウントは、
「『翔んで東京』をやるしかないな。百合子の踏み絵をして踏んだら都民。尤も、神奈川県民も百合子に振り回されているから踏みつけそうだが」
とツイートしているが、同作では都内に「不法滞在」している埼玉県民をあぶり出すために、埼玉名物の「草加せんべい」で踏み絵を行わせるシーンがあり、要は、それを小池百合子都知事に置き換えてしまえという発想である。
同作の原作漫画では踏み絵に使われていたのは「埼玉県知事の写真」で、埼玉県民は顔写真を踏めない、というストーリーだった。それを考えると、妙にリアリティーのあるツイートとも言えるだろう。
確かに、再三にわたる緊急事態宣言に振り回されている都民は多いほか、それに付き合わされている周辺県民も多数に上るわけであり、都民でなくても「うっかり」踏み絵に引っかかってしまいそうだ。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)