国内の格安航空会社(LCC)2社で、丸5日以上にわたってチケットの予約や変更、キャンセルができない状態が続いている。米企業が提供する予約システムのトラブルが原因だ。
大型連休の予約は2020年に比べて大幅に増えていたが、21年4月25日から東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に対して3回目の緊急事態宣言が発令されている。多数のキャンセルが見込まれる局面だが、 26日夕時点で復旧のメドは立っていない。
フライト自体は通常運航、予約がある人はそのまま乗れる
国内で影響を受けているのは、ピーチ・アビエーションとZIPAIR(ジップエア)の2社。それぞれ4月21日8時45分、13時頃に障害が起き、それが解消されない状態が続いている。障害の内容は、新規予約、変更、キャンセルができないというもの。両社とも、これらの手続きは障害復旧後に受け付ける。キャンセルができないまま予約した便が出発してしまった場合、出発前に申し出があったものとして復旧後にキャンセルを受け付ける。運航そのものに影響は出ておらず、障害が起きる前にチケットを買った乗客は、そのまま搭乗できる。
障害の原因は、両社が契約している米ラディックス社(フロリダ州オーランド)のクラウドベースの予約システム「Radixx Res」の障害だ。ラディックス社の4月22日(現地時間)の発表によると、4月20日にアプリの異常な挙動が発覚。調査の結果、システムに侵入したとみられるマルウェア(悪意のあるプログラム)が原因だと判明した。顧客情報の漏えいはなかったとしている。影響を受けているのは、日本の2社を含む約20社。発表では「本日中に復旧作業を開始予定で、その作業は数日間続く予定」だと説明していたが、障害発生から丸5日が経過しても障害は続いている。