「顔パス」で飛行機に乗れる? 成田・羽田の国際線で実証実験...記者が試したその実力

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   成田、羽田の両空港で顔認証システムを使用して「顔パス」で手続きを行うための実証実験が進んでいる。2021年4月23日に羽田空港で報道関係者向けの体験会が開かれた。

   顔認証の導入で時間短縮が期待できる上、書類や機器に触れる機会が減る分、新型コロナウイルス感染のリスクを下げることにもつながる。ただ、国際線に乗る際には、今は渡航先の国や地域がPCR検査の陰性証明を求めていることが多い。そのため、一度は係員がカウンターで証明書を確認することが必要だ。こういった作業をいかにして自動化するかも今後の課題だ。

  • パスポートを読み取らせて顔写真を撮影。パスポート内の写真データと付き合わせて認証する仕組みだ
    パスポートを読み取らせて顔写真を撮影。パスポート内の写真データと付き合わせて認証する仕組みだ
  • 自動手荷物預け機では、カメラを見つめると本人確認ができる
    自動手荷物預け機では、カメラを見つめると本人確認ができる
  • 搭乗券がなくても、顔認証で保安検査場に進めるようになる
    搭乗券がなくても、顔認証で保安検査場に進めるようになる
  • パスポートを読み取らせて顔写真を撮影。パスポート内の写真データと付き合わせて認証する仕組みだ
  • 自動手荷物預け機では、カメラを見つめると本人確認ができる
  • 搭乗券がなくても、顔認証で保安検査場に進めるようになる

自分の顔を撮影してパスポート内の写真データと突き合わせる

   空港でパスポートや搭乗券を確認されるチェックポイントは多い。自動チェックイン機を使う場合、実際に飛行機に乗るまでに(1)チェックイン(2)荷物の預け入れ(3)保安検査場(4)出国審査(5)搭乗ゲート、の少なくとも5回が必要だ。

   今回実証実験が進んでいる顔認証システム「Face Express」(フェイスエクスプレス)では、出国審査以外の手続きで、パスポートや搭乗券がない状態の「顔パス」ができるようになる。出国審査でも顔認証は取り入れられているが、「Face Express」とは連動していない。

   チェックインが終わって搭乗券を受け取っている場合、「顔パス」の大まかな流れは、こうだ。登録機にパスポートを読み取らせて、その場で自分の顔を撮影。パスポートのICチップに記録されている顔写真データと付き合わせて本人を確認する。次に搭乗券を読み取らせて、航空会社のデータベースと照合する。登録しようとしている人がパスポートの持ち主で、その日の便の予約を持っているか確認する仕組みだ。

   この手続きにかかるのは1分程度だ。自動チェックイン機を使えば、チェックインと「Face Express」への登録をまとめて行うこともできる。

   この手続きさえ終われば、その後の自動手荷物預け機、保安検査場、搭乗ゲートでは、カメラに顔を向けるだけでいい。顔認証の際にはマスクをずらす必要がある。記者は眼鏡をかけていないが、伊達眼鏡をかけた状態でも問題なく認証できた。「普段は眼鏡をしているが、パスポートの写真は眼鏡を外して撮った」といったケースでもスムーズに利用できそうだ。

ETC車で料金所を通過するような使用感

   顔認証を使わない場合、これらのチェックポイントでは、搭乗券やパスポートを探すのに手間取る人も多い。顔認証ではその必要がない分、手続きの時間が短縮され、待ち時間も短くなることが期待されている。顔認証にかかる時間は、ほんの一瞬だ。高速道路でETC搭載車が料金所を通過するようなイメージだ。

   今は空港や航空会社関係者による調整作業が進んでおり、一般客向けには21年7月に運用を始める。現時点で羽田空港では日本航空(JAL)、全日空(ANA)、デルタ航空、エールフランス航空(成田空港はJAL、ANAの2社)が参加を表明。順次拡大される予定だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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