コロナ禍の中でマスクを着けずに楽しむとした「全国同時ノーマスクピクニックデー」は、物議を醸して全面中止が発表されたが、そのノーマスクピクニックを復活させる運動がツイッター上で提唱されている。
提唱者は、「コロナは茶番」と訴えるユーザーで、同じゴールデンウイーク中に行うとしている。これに対し、会場とされた都立公園では、マスク着用を呼びかけているだけに、騒ぎが収まらないことに苦慮している様子だ。
ノーマスクピクニックは、安全を考えて全面中止を発表したが...
全国同時ノーマスクピクニックデーを告知するサイトでは、「2019年の笑顔を取り戻そう」と、2021年5月1、2日の土日に東京や大阪、福岡、沖縄など全国17か所の公園などで行うとしていた。それぞれの主催者は、そのツイートなどを見ると、コロナやワクチンはまやかしだとする陰謀論を主張している。
ところが、4月19日になって、ツイッター上でこの企画が批判的に取り上げられ、「ノーマスクピクニック」がトレンド入りした。全国紙のウェブ版や都議のツイートにも取り上げられる騒ぎになり、翌20日になってサイト上で全面中止すると発表した。その理由としては、「予期せぬ形での拡散・報道により、個人的な誹謗中傷なども多く見られたため、参加者の身の安全を考慮した結果」だとしている。
しかし、「これからも私たちは信念を持って、歩み続けます」などと主張を曲げない姿勢を示したため、実際は何らかの形でやるのではないかとの憶測も出ていた。
今回、復活を提唱するユーザーは、この企画が出たときに、プラカードを持つなどした方が気持ち悪がられて安全だなどと意見をツイートしていた。そして、全面中止が発表されると、そのことを批判して自らがピクニックをやるつもりだと明かしていた。
「ネオ・全国同時ノーマスクピクニック」
このユーザーは、4月22日になって、「ネオ・全国同時ノーマスクピクニック」として、中止になったピクニックと同じ日程と場所で行うとツイッターで告知し、リプライを通じて参加申し込みを受け付け始めた。東京都世田谷区内の都立砧公園では、5月1日土曜日の12~14時に行うとしている。
マスク着用については、公園は子供が多いので不審者と見られ、運動の場で熱中症の危険があると主張して、厳禁だと主張。そして、公園職員に対しては、その場で腹を割って話し合いたいとも書いている。
新型コロナウイルスについて、このユーザーは、以前から「茶番」などと主張しており、中止企画の主催者らと同様に、コロナやワクチンに懐疑的な見方をしている。
3月1日には、国交省やJR東日本のお知らせだとして、マスクを外すよう都内のJR新宿駅前の街宣活動で呼びかける動画を投稿し、国交省やJRがその事実を否定する騒ぎを起こしていた。
今回の企画についても、ツイッター上では、賛同者からの支持はあったものの、「タダの迷惑」「やめて欲しいです」と批判も相次いでいる。
管理者の砧公園サービスセンターでは4月23日、担当者がユーザーの企画について「知っています」としたうえで、対応についてJ-CASTニュースの取材にこう説明した。
「マスク着用などは園内放送で呼びかけたり、看板などの掲示を出したりしており、この件につきましては、職員が巡回してお声かけするしかないと考えています。特別なことはなく、通常通りの対応をするということです」
公園運営者の都公園協会の広報係は同日、取材に次のように話した。
「マスク着用のお願いを出していますので、残念なことです。公園によって対応は違っていますが、大人数でマスクをしないで食事をする場合には、巡回している職員がお声かけすると思います」
J-CASTニュースでは、このユーザーにもツイッターを通じて取材依頼しているが、23日20時までに反応はなかった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)