JR東日本が2021年4月22日、ベビーカーのレンタルサービス「ベビカル」を首都圏主要駅で開始した。
インターネット上では、ベビーカーで電車を利用することに抵抗があったというユーザーらから、「とっても嬉しい」「便利かも」とサービスの導入に好意的な反応が出ている。
サイト上で事前予約もできる
今回のサービスは、東京駅や新宿駅、横浜駅などの首都圏主要駅18か所でスタートする。利用には公式ウェブサイトの会員登録が必要。ウェブサイト上で予約が可能で、料金は最初の1時間は250円、以降は30分毎に100円がかかる。
「子供たちと気軽に外出できる社会」の実現を目指したこのサービス。特徴は、駅の外に持ち出すことが可能で、テーマパークや公園でも利用ができること。最大7日間借りることが可能だ。
駅でのベビーカーレンタルの開始に、ツイッターでは
「ベビーカーで電車乗るの苦手だからとっても嬉しい」
「これ便利だなー電車やバス内のベビーカーってやっぱり気使っちゃうんだよね」
「へー、専用スタンドが駅にできるんだ。地下鉄車内にベビーカーを持ち込むのは避けたいなと思う人が、電車を降りた先で使えるのは便利かも」
といったコメントが出ていた。
「ベビーカーで電車乗るの苦手」という声が示すように、駅や電車でのベビーカー利用をめぐる問題は、これまでにもたびたび注目を集めてきた。例えば、通勤・退勤ラッシュ時など、混雑する車両では周囲の乗客の目が気になる、といった具合に。
そうした状況の中で、鉄道会社も様々な取り組みを進めている。例えば、東京メトロが15年9月にベビーカー・車椅子の双方が利用しやすいフリースペースを設けた車両を千代田線に導入。JRなど他社の車両でも、似たようなスペースが導入されている。
妻の一言から始まったアイデア
今回の「ベビカル」サービスも、ベビーカーを使うような幼い子連れ客が、より電車を使いやすいように、という思いから生まれたものだ。サービスの概要を伝えたJR東日本のサイトの中で、企画を発案したjeki-X部長・森祐介さんは、
「『なぜ、駅にはベビーカーのレンタルがないのだろう』この妻の一言から始まったアイデアでした。(略)今後さまざまな施設への展開を進め、ベビーカーレンタルのインフラ化を目指します」
とコメントしている。
なお、JR東だけでなく、小田急電鉄・新宿駅西口地下改札外でも5月7日から5月31日まで、ベビーカーのレンタルサービス「Share Buggy」の実証実験がスタートする。
こちらはベビー用品のレンタル・販売サービス運営をしているBabyboor社(東京都豊島区)が実施するもので、19年3月に京王井の頭線渋谷駅構内でも実施していた。料金は1時間220円からになり、利用には専用アプリが必要になる。