ばんえい競馬は「廃止」すべきなのか 「馬の顔蹴り」問題が波紋、騎手に戒告処分も議論続く

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ばんえい競馬自体が、馬の地獄にしか見えない?

   鈴木騎手が馬を蹴ったことについて、ネット上では、関係者のツイートなどを受け、「あれは少しでも生かすために必死だったんだろうな」「今の段階で騎手を一方的に非難するの危険すぎる」と擁護する声も出た。

   しかし、「虐待でしょう、これは」「さすがに他のやり方を考えるべき」「擁護する人達も考え方が麻痺している」と批判は根強いようだ。

   さらに、ばんえい競馬が重りを載せた鉄製のそりを馬に引かせる過酷な競走のため、「馬の地獄にしか見えない」「すでに時代遅れなのかと思う」「ばんえい競馬自体を即刻廃止にするべき」との声も一部で見られた。

   帯広市のサイトによると、ばんえい競馬は、明治の北海道開拓時代に「ばん馬」と言われる農耕馬による競走が行われたのを起源とし、戦後に公営競馬となってスタートした。2004年には、世界で唯一の馬文化として「北海道遺産」に指定されている。道内の各自治体がレースを運営してきたが、07年度から帯広市だけになっている。

   ところが、テレビ北海道の17年5月13日付ウェブ版ニュースによると、高齢化の影響で農耕馬の数が20年前の7分の1に減り、馬が足りなくなった。そのため、かつては2割を切った能力検査の合格率が7割超にもなって、馬の能力低下が見られるという。コロナ禍の巣ごもり需要によるネット販売好調で、ばんえい競馬の売り上げは、2020年のシーズンは過去最高に達したと報じられているが、馬のやりくりには苦労しているようだ。

   今回の問題については、関係者界隈でも議論になっている。

   ばんえいに詳しい競馬ライターの小久保友香さんは、ツイッターで「大きな馬と対峙するって、体全体で叱ったり喧嘩したりする必要があると思ってる」としながらも、見る人々の受け取り方が最も大切との指摘に同意し、「今回をきっかけに、方法を考えなくてはならないですね」と漏らしていた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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