馬の生産者「地面で砂食う状態で、窒息しないよう蹴ったと思う」
「馬が地面に何度も顔を着けたので、我々の言う『砂食う』状態で、窒息するかしないかでした。馬は700キロぐらいするのもいますので、血流障害でしびれて前脚が立たなくなっていました。顔が埋まって、呼吸が荒くなり、人の力では動きませんので、顔を横に向けるために(騎手の左足で)打ったのだと思います。こうしたことは、昔はしょっちゅうありましたよ」
鈴木騎手がそういう状況ではなかったと話したと、帯広市側が言っていることについては、こんな見方をした。
「一流のジョッキーには、プライドがあり、言い訳は言わないと思います。そばで見ていた厩務員の言うことが正論だと思いますね。馬が憎たらしくて打ったとは思っていません。砂が入り込んでも違う方法で対処してほしいというのは、分からないでもないですが、市の人は、馬のことをよく知らないんでしょう。鈴木さんと打ち上げで飲んだときは、鈴木さんは、『力及ばず、申し訳ありません』と謝罪していましたが、馬主もその場にいて、『とっさの場合は、仕方がなかった』と意見が一致していました」
追記(2021年4月30日):スポーツニッポンの記事によると、鈴木騎手は、同日に開いた帯広市の会見に反省の手紙を寄せ、「自分としては何度も手綱を使い起そうとしましたが起き上がれず、あのままの状態では馬にとって相当な負担が掛かり、早急に起さないといけないと思い、とっさの判断で、馬をびっくりさせ、顔が上がったその反動で起こそうとした結果です。決して馬に腹が立ち、イライラしてとった行動ではないということを分かってもらいたいです」と馬の顔を蹴った理由を説明した。同様な内容は、日刊スポーツも書いている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)