「ウマ娘」ブームが引退馬を救う? 支援団体が明かす現実と、広がる寄付への思い「感謝しかない」

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引退した馬が天寿を全うするにはいくらかかる?

   さて、当初の目標額は2頭の引退繁殖馬を鹿児島県のホーストラストに送るまでの経費に充てる予定で、馬が一生送るための経費までは含まれていなかった。引退馬が天寿を全うするにはどれほどの費用が掛かるのだろうか。沼田さんはこう話す。

「馬の平均寿命は27歳位と考えます。一番安く、安心して預けられる鹿児島ホーストラスト(引退馬が暮らす牧場)で1か月3万3千円です。1年間約40万円、10年間で約400万円になります。20年間で約800万円です」

   また北海道では、平均的な預託料が約11万円となるため、20年間預けると2640万円ほどかかるという。さらには獣医療費、馬のひづめを管理する「削蹄費」なども加わり、多額の費用が掛かる。

   そこで引退馬協会ではたくさんの人で一頭の馬を支える 「フォスターペアレント制度」を設け、馬を支える里親も募集している。

「最近では獣医療や管理の発達もあり、ナイスネイチャのように長生きが出来る馬が増えてきました。
長い一生に継続して、里親さんとして見守ってくださる方が増えると、とても助かります」(沼田さん)

   しかし里親が集まらなかったり助成金が出なかったりして、引退後を過ごす資金が不足してしまう馬もいる。今回のナイスネイチャのバースデードネーションで集まった資金の一部は、支援対象の馬の資金が不足した際にも活用される予定だ。引退馬協会は19日、ナイスネイチャのバースデードネーションの活動報告にて、寄付の約30%をプールし、馬を最後まで確実に見守るために使用すると報告している。

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