大相撲の横綱・白鵬(36)=宮城野=の一代年寄「白鵬」襲名に暗雲が垂れ込めた。
「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の最終会合が2021年4月19日、両国国技館で行われ、提言書が八角理事長(元横綱・北勝海)に提出された。提言書では、現役時代に著しい功績を残した横綱に対して一代限りで現役のしこ名のまま親方になれる「一代年寄」について問題提起。一代年寄「白鵬」襲名へ厳しい見解が示された。
過去には大鵬、北の湖、貴乃花の3人が襲名
日本相撲協会は19日に公式サイトで「有識者会議」の提言書を公表。この提言書のなかで「一代年寄」に関して言及されており、「一代年寄は当該横綱一代限りで弟子たちはその名を継げない」とし、「大相撲の師資相承の伝統から外れたいわば異形の『資格』である」と問題提起している。
また、提言書では「公益財団法人としての制度的な裏付けとは整合しないと思われる」とし、「現在の協会の定款などにも根拠となる規定はない」と論じている。
過去、一代年寄を名乗った横綱は、大鵬、北の湖、貴乃花の3人だけで、千代の富士は辞退している。いずれも現役時代に著しい功績を残した横綱である。大鵬、北の湖、貴乃花の3人は一代年寄襲名にともないそれぞれ部屋を興したが、死去や協会退職によって現在、部屋は消滅している。