「Skype」のトップが、ライバルサービスの「Zoom」にブチギレ――。そんな内容の「ネタ動画」が、2021年4月20日頃からツイッターで話題になっている。
米国人YouTuberがSkypeのCEOを演じたものだ。もちろん偽物なのだが、動画を紹介した投稿が5万件以上のリツイートを集めるなど、大きな注目を集めている。
「『Skypeしようよ』って言ってたの覚えてる?」
話題となった動画には、栗色の髪にデニム生地のシャツ、ジャケットを羽織った外国人の男性が映っている。
「やあみんな、SkypeのCEOのランドンです」との自己紹介から始まる動画では「コロナウイルスが流行してから、もう一年が過ぎました。私たちはいま、新しい時代の局面にいます。今、ビデオ通話は社会の生命線であると言ってもいいでしょう」と穏やかな口調で語る。
ランドンさんは「このビデオを視聴してくださっている皆様に、心からお伝えしたいことがあります」と語りかけると、こちらを指差しながら「ファッキュー!」といきなり口調を荒げた。
画面には「Thank You!」との文字が映っているものの、明らかに感謝の気持ちを述べているわけではなさそうだ。
その後、「お前のZoomアカウントもろとも消え失せろ!テリー、これだけ言わせてくれ。Zoomって何やねん!Zoomって何?まじで何?俺らがどんだけ長いことこの世界にいると思ってんだ!どう考えても嫌がらせだろうが!」と激昂している。
「俺にあえて喧嘩売ってるとしか考えられねぇ!この恩知らずのクソどもめ、一人残らず駆逐してやる!」とひとしきり怒った後、また穏やかな口調に戻り「スカイプには長い歴史があります。人々が(インターネットを介した会話ツールの)重要性を理解する前から私たちはサービスを提供してきました」とSkypeの歴史をアピール。
「もしあなたがSkypeを最近使用していないのであれば、私たちはあなたに必要な全てを揃えています。例えばバーチャル背景。通話終了ボタン。逆サイドの端っこにね!......どうやら通話終了ボタンの位置がよっぽど重要らしい」とまたしても雲行きが怪しくなる。
「だってそれぐらいしか違いが無いからな、このクソ野郎ども!」と再び怒りをあらわにしたランドンさんは、「『Skypeしようよ』って言ってたの覚えてる?俺らの名前が動詞になってたんだぜ!?」として、ZoomとSkypeに大きな差は無いことを強調しつつ、かつてSkypeが覇権を握っていたことを思い出して欲しいと訴えた。
実際のプロモーション動画だとするとかなり攻めた内容だが、この動画はアメリカ人YouTuberのCollegeHumorさんが作成したもの。彼は度々こうした企業のCEOを装ったネタ動画を作成しており、アメリカで高い人気を誇っている。
日本でも「Skype」がトレンド入り
日本では、日本語訳を加えた動画の一部がツイッターに投稿されたことから一気に注目を集め、2021年4月20日未明にはツイッターのトレンドに「Skype」が入るほどになった。
ツイッター上では、この動画を観てSkypeではなくZoomが急速に普及したことについて改めて考えたとの声が相次いでいる。
「ワイ将、インターネット老人会。ずっとSkype使ってたのでいきなり出てきたZoomとは......?ってなってたので激しくわかるwww」
「オタク達はDiscordに流れて、パンピーはZoomって訳か 今でもSkypeにある会話のログを見ると懐かしくなるね」
また、Skypeが流行していた当時を懐かしむツイートも目立った。
「大学の時に友達とSkype繋いでモンハンやってたのがめちゃくちゃ懐かしい...」
「そういえば僕が中学生の頃は確かにSkypeが動詞になってたし部活終わって帰ってご飯食べたらすぐSkype起動して美術部の友達と話しながら絵描いたり毎日のようにしてたな」
「家族共用のPCでしかも家族がいる前でネットのオタクとSkypeしてたの今考えると信じられんな」