2021年4月、鉄道ファンを一喜一憂させたのが、「JR西日本どこでもきっぷ」をめぐる動きだ。
発売の知らせを受けて、鉄道ファンからは歓喜の声が相次いだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、わずか数日後に「発売見合わせ」に。一転、落胆する声が続出する騒ぎとなった。
そもそも、この切符の魅力はどこにあったのか。特徴を解説する。
「どこでもドアきっぷ」との違いは?
4月9日、JR西日本は「JR西日本どこでもきっぷ」「JR西日本関西どこでもきっぷ」「西なびグリーンパス」を16日に発売することを発表した。
「どこでもきっぷ」はJR西日本全線とJR西日本宮島フェリーが乗り放題となり、新幹線・特急も含めて指定席の予約は6回まで、自由席は無制限に利用できる。
JR西日本が乗り入れる第三セクターでは智頭急行が乗り放題、IRいしかわ鉄道線の金沢~津幡間、あいの風とやま鉄道の富山~高岡間はJR西日本線への通過利用のみ可能だ。価格は2日間用が1万8000円、3日間が2万2000円となる。子どもは半額だが、単独での購入・利用はできない。
「関西どこでもきっぷ」は「どこでもきっぷ」の関西版、「西なびグリーンパス」は満50歳以上の利用で、グリーン車にも乗れる。
ところで「どこでもきっぷ」は、20年秋にJR西が販売した「どこでもドアきっぷ」と内容面で重なっている部分が多い。今回、大きな注目を集めた理由は、1人利用が認められた点だ。
「どこでもドアきっぷ」は2人から利用可能で、1人旅が好きな方には不満が残る内容であった。筆者も1人旅派であることから、今回の「どこでもきっぷ」に興味を持っていた。