鉄道博物館の「東高西低」くっきり 関東は小田急も新設、関西大手はゼロ...その差はどこに?

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関西私鉄の「文化財」は球団?

   しかし現状をもって関西の私鉄が自社の歴史を軽視している、とまでは一概には言えない。広義の企業ミュージアム、というくくりで視点を広げると、プロ野球にフォーカスした施設が21世紀に新しくオープンしているためだ。

   阪神甲子園球場内の「甲子園歴史館」(2010年開業)は当然阪神タイガースと高校野球ゆかりの博物館であるし、阪急が西宮球場跡地に2008年に開業させた阪急西宮ガーデンズ内の「阪急西宮ギャラリー」では阪急ブレーブスや阪急電車の歴史を、当時の資料や模型で伝えている。最寄りの西宮北口駅で1984年まで存在した通称「ダイヤモンドクロス」と呼ばれた、神戸線と今津線が平面で交差する様子も模型で再現されている。

   南海ホークスの本拠地だった大阪球場跡地のなんばパークス(2003年開業)内にも「南海ホークスメモリアルギャラリー」が設けられ、南海ホークスの球団史を見学できるようになっている。いずれも保有した球団の歴史を、ゆかりの地で回顧できる施設だ。

   ロマンスカーをブランドとしてPRする小田急のように、自社の鉄道そのものを財産として公開してファンや沿線住民の支持を得るか、それとも沿線の文化という大きなくくりの中で何を重視して顧客に伝えていくかの考え方の違いが、各社の文化施設に反映されているようである。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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