プロ野球の巨人は2021年4月15日、ルビー・デラロサ投手(32)の出場選手登録を抹消した。
スポーツ各紙によると、デラロサは米国の市民権申請手続きをするためこの日、渡米したという。デラロサは今季6試合に登板し、防御率0.00、5セーブをマーク。再来日後のチーム合流は5月中旬以降になる見通しで、チームは約1カ月間、守護神不在の戦いを強いられる。
原監督はデラロサ「後任」明言せず
デラロサは3月上旬に左足小指を骨折し、開幕には間に合わなかったものの、驚異的な回復力で4月1日に復帰した。今季初登板でセーブをマークすると、4日のヤクルト戦から4試合連続でセーブを記録。守護神として相変わらずの安定感を見せていた。
「勝利の方程式」の最後を締めくくるデラロサの不在は、投手陣にどのような影響を及ぼすのか。そして新たなクローザーに誰が指名されるのか。スポーツ各紙によると、原辰徳監督(62)はデラロサの離脱を前向きにとらえつつ「後任」に関しては明らかにしていない。
開幕当初は、出遅れたデラロサに代わって中川皓太(27)がクローザーを務め、デラロサの復帰に伴い本来のセットアッパーに戻った。これまでの実績からいえば中川が再び9回のマウンドを任される可能性が高いが、指揮官は中川に一本化する考えはなさそうだ。
特別ルール適用で問われる監督の手腕
15日の中日戦はデラロサが登録抹消直後とあって注目を集めたが、4点リードで迎えた9回のマウンドに上がったのはビエイラだった。ビエイラは先頭Aマルティネス、高橋周平に連続安打を許し、いきなり無死1、2塁のピンチ。それでも続く阿部寿樹をセカンドフライに打ち取ると、その後は2者連続三振で締めくくった。
結果的にゼロで抑えたとはいえ、ビエイラの投球内容は決して首脳陣を納得させるものではないだろう。この日は4点のリードを考慮した上での起用で、テスト的な意味合いが含まれているとみられる。ただ、160キロ近い直球と150キロ台の変化球は大きな魅力で、未完成ゆえ伸びしろに期待が持てる。
今季は新型コロナの影響による特別ルールが適用され延長なしで実施される。これにより投手の起用法が通常のシーズンとは大きく変わり、監督の手腕が問われる。原監督の真意は不明だが負担軽減の目的もあり今後、左右タイプの異なるビエイラと中川を「ダブル守護神」として状況によって使い分けていく可能性はある。
ここまで不振の打撃陣をカバーしてきた投手陣。抑えの要であるデラロサの長期不在は大きな痛手となり、原監督はこの「緊急事態」をどのように乗り切るのか。指揮官の采配に注目される。