「私だけが素手でトイレ掃除。社員は、けっこうブラシを使う」
福森社長は、メディアにも度々露出しており、ビジネス誌などでも、素手のトイレ掃除の意義を強調していた。
例えば、「月刊BOSS」2013年4月号では、デザインという美を売る職場は常に美しくしておきたいとして、毎朝20分の社内清掃を行い、「特にトイレ掃除は重要で、素手で掃除します」と説明した。トイレは、ペーパーなどの使い方まで指導するという。
また、会社の特徴は女性らしさだとして、社員には常に女性らしくするように言っており、「スッピンもご法度です」とした。朝礼では大きな声で唱和したりするなど社員教育はかなり厳しいといい、「働いている社員は、いずれお嫁に行き、子供を産み、育てる。その時に困らないようにしておくことが、会社としての責任だ」とその理由を挙げていた。
素手のトイレ掃除については、福森社長がこの会社に入ったときの体験が原点のようだ。
他メディアの記事や本人の話によると、福森社長は、母親が掃除係の募集を紹介したことがきっかけで入社した。当時の社長が心を込めていないと注意し、素手でトイレ掃除をしたことに影響を受けたという。その後、デザインや経理の仕事をしながら、土日返上で営業も覚え、2007年に後任の社長に抜てきされた。福森社長は、その1年後に、目に楽しいおやつのようなデザインをするとしてアイキャンディに社名を変更している。前任の社長が今の夫だ。
今回の騒ぎについて、福森社長は4月16日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「私だけが素手でトイレ掃除をしており、社員は、けっこうブラシを使っています。素手は強制していませんので、パワハラに当たるとは思っていません。社員に指導するときも、ブラシを使っています。ただ、コロナ禍の中で感染症対策を考えると、素手はよくなかったと思っています」