3人組ラップグループ「舐達麻」のメンバー2人が大麻を所持していたとして逮捕されたことが、ネット上で注目を集めている。
同グループは以前から、その歌詞が大麻を連想させるなどと指摘されるなどしていたためか、逮捕の一報を受けたネット上の反応は、「驚き」よりは「やっぱり」といった反応が多い。さらに一部のファンからは、通常の芸能人の薬物事件が発生した際とは対照的な反応が出ているのだ。
独特すぎるファンの反応
通常、芸能人が薬物で逮捕された場合は、アンチや一般人から罵声が飛ぶ中、ファンからは罵声と言うよりは叱責、さらには、今後の活動を案じる心配の声が飛び出すものである。
特に、ラップグループたる舐達麻のように歌手であれば、楽曲の発表やコンサートの日程が吹き飛ぶと言った弊害が往々にして発生するわけであり、これらがご破算になることへの怒りをつづるツイートが噴出するといった現象が見られるのが常だ。
近年では、2019年5月に元KAT-TUNの田口淳之介さんが大麻の所持で逮捕された際に、当時、1カ月半後に迫っていた本人のコンサートのチケットがまだ販売中だったことを挙げつつ、「あなたが締め切ってどーするの」といったツイートが乱れ飛んだことがあったほどだ。
しかし、今回の舐達麻のファンの反応を見てみると、上記のような叱責の声はほとんど見当たらず、代わりに見受けられるのは、むしろ逮捕を喜ぶかのような声なのである。
「パクられてるの知ってわろてる、神イベの予感」
実は、舐達麻は5月29日と30日に神戸市内で開催される「KOBE MELLOW CRUISE」に出演予定だったのだが、今回の逮捕を受けて出演は絶望的な状況となってしまった。それでも、あるツイッターアカウントは「神戸のフェスで『留置所で捕まりながらも歌ってるみたい。泣けるこれが舐達麻魂!』になりたい」と、本人たち抜きで開催されたイベントに予定通り行き、その場に来ていない本人たちの魂を感じ取りたいとツイート。また、別のアカウントも「パクられてるの知ってわろてる、神イベの予感」と、逮捕によってイベントの価値が高まったとする声を上げているほどだ。
確かに、同イベントは舐達麻以外にも多数のアーティストが出演予定であるため、舐達麻が出演しなくても滞りなく開催されるものであり、前述の田口さんの場合など、コンサートそのものが中止になってしまったケースとは状況が違うのは事実。ただ、それでも逮捕されることによってイベントに泥を塗ってしまったことには変わりはないわけだが、であるにもかかわらず、本人たちが逮捕されることによって、その「リスペクトの念」がさらに強まってしまったとする声が上がってしまっているのである。
舐達麻は本人たちの、その異端児ぶりが魅力とされているが、そのファンもまた、型にはまらない人々が多いのかもしれない。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)