「今続いていることのほぼ全てこの時代のアニメージュが変えた」
さて、この展覧会はスタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんの編集者としての側面に焦点を当てたものになっている。まだアニメという言葉さえ広がっていない時代から「機動戦士ガンダム」の大ヒットでアニメが大きく飛躍したブーム期、そして後のジブリにつながる高畑勲・宮崎両監督を見出し、彼らとの映画製作に傾倒していくまでの道のりをたどるものだという。
展覧会の監修をつとめた「三鷹の森ジブリ美術館」のシニアアドバイザー・高橋望さんによると雑誌「アニメージュ」は、創刊当時はあまり知られていなかったアニメ業界の内部やクリエイターに焦点を当てることで、アニメの裏方仕事への注目を高めてきたという。例えば同誌は「アニメグランプリ」というイベントを開催し、読者アンケートによって選ばれた声優やアニメソングを表彰していた。
「今に繋がるお仕事、声優さんのブームであるとか、声優さんが歌を歌うとか。あるいは雑誌に載っていた小説や漫画がアニメになるとか。要するに今続いていることのほぼ全てこの時代のアニメージュが変えたといって良いと思うんですよ」(高橋さん)
展示数は200点以上。映画「シン・ゴジラ」など多数の作品で造形監修を務めたことで知られる造形師・竹谷隆之さんが再現した「風使いの腐海装束」や、押井守監督作品「天使のたまご」の資料なども飾られている。ちなみに島本さんの最も印象に残った展示物は「自分関連のところ」とのことだ。
さらに今回の展覧会に関連して、同じフロアにあるレストラン「MGカフェ」では、ジブリ作品とのコラボメニューも提供されている。アニメ映画「天空の城ラピュタ」の飛行石をモチーフにした「飛行石のブルーレモネード」や、ラピュタを再現したような「天空のカフェモカフロート」にはちょっとした仕掛けも用意されていた。
松屋銀座での展示は5月5日まで。入場はチケットの事前購入が必要で、全日日時指定制となっている。
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)
(2021年4月15日17時30分追記)表記に誤りがあったため、見出しと本文の一部を修正しました。