プロ野球・広島の大瀬良大地投手(29)が2021年4月14日、出場選手登録日数が7年に達し国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を満たした。
スポーツ各紙によれば、大瀬良はこの日、FA権に関しては明言を避け、シーズンに集中する姿勢を見せた。とはいえ、今オフの目玉ともいえる「大物右腕」のFA権取得に、早くも大きな注目が集まっている。
FA権行使すれば広島は全力で引き留めか
大瀬良は13年のドラフト会議で広島から1位指名を受けて入団。ルーキーイヤーの14年には10勝を挙げ新人王に輝いた。17年から3年連続で2ケタをマークするなど先発の柱としてチームをけん引。18年には自己最多の15勝をマークし、最多勝のタイトルを獲得している。
大瀬良は今季、3年連続で開幕投手を務め、ここまで3試合に登板して2勝をマーク。防御率0.89と安定感抜群の投球を見せている。昨季は夏場にコンディション不良で出場選手登録を抹消され、9月に右肘の手術を受けそのままシーズンを終了。5勝4敗と不本意なシーズンとなったが、今季は完全復活を思わせる内容が続いている。
プロ8年間で通算59勝の右腕は、リーグを問わずどの球団にとっても魅力的な投手であることに間違いないだろう。仮に今オフ、大瀬良がFA権を行使すればセ・パ両リーグによる争奪戦になることは必至で、広島は全力で引き留めにかかるとみられる。大瀬良の決断はまだ先のことになるが、多くの鯉党は気が気でないだろう。
過去には多くの主力がFA流出も...
広島のFAの歴史を振り返ると、FA制度が導入された1993年から広島は一度もFAで選手を獲得していない。その一方で、過去にFA権を行使して広島から多くの主力選手が他球団に移籍した。直近では、18年に打線の主軸を担った丸佳浩外野手が巨人に移籍し、大きな話題を呼んだ。
ところがここ最近、FAの流れが変わりチームに残留する選手が続出している。
19年には、曾澤翼捕手、野村祐輔投手が国内FA権を取得するもチームに残留。国内FA権を行使せずポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指した菊池涼介内野手も結局、移籍がかなわずチームと4年契約を結んだ。20年には田中広輔内野手が権利を行使せず残留を決めた。
このような流れもあってインターネット上では早くも大瀬良の残留を「確信」する鯉党も。大瀬良の夫人が広島出身で広島でタレント活動をしており、大のカープファンということもその大きな要因となっているようで、「広島を出ていく要素はほとんどない」との声も上がっている。ただその一方で不安を抱える鯉党もおり、球団に対して「誠意」を求める声が寄せられている。