プロ野球の外国人選手が次々と1軍に合流している。
セ・リーグでは、リーグ最下位に沈むDeNAが2021年4月13日にネフタリ・ソト内野手(32)とタイラー・オースティン外野手(29)を出場選手登録し、中日のライデル・マルティネス投手(24)とアリエル・マルティネス捕手(24)も同日に1軍に昇格した。新型コロナウイルスの影響で出遅れていた外国人選手がようやく1軍に合流し、セ・リーグの勢力図はどのように変わるのか。今後の展開に注目される。
DeNAのチーム防御率はリーグワースト
最下位DeNAに待望の外国人助っ人が合流する。チームは開幕から15試合でわずか3勝(10敗2分け)と低迷が続く。ソト、オースティンを欠いた打線は、ルーキー牧秀悟(22)が引っ張る形で、12日時点で打率.383、4本塁打14打点の数字を残している。チーム打率はリーグ3位の.252と決して悪くなく、ソト、オースティンの合流でさらなる攻撃力アップが期待される。
ソト、オースティンの合流で打線は見通しが立ちそうな状況だが、現在DeNAが抱える課題は投手力の立て直しだ。チーム防御率はリーグ唯一の4点台で、76失点もリーグワースト。投手力の弱さがそのままチーム状況を反映している。
外国人投手に関しては、セットアッパーのエスコバー(28)は17日に隔離期間が終了し、2軍での調整を経て合流する見通し。先発起用を予定しているピープルズ(29)と新外国人ロメロ(26)はすでに隔離期間が終了しているが今後、3週間程度の調整を要する見込みだ。チーム浮上のカギを握る助っ人投手陣の1軍合流は、まだ時間がかかりそうだ。
巨人新外国人、16日にも1軍デビューか
リーグ3位につける巨人にも動きがありそうだ。
新外国人のジャスティン・スモーク内野手(34)とエリック・テームズ外野手(34)が早ければ16日のDeNA戦で1軍デビューする可能性が出てきた。2人はすでに隔離期間を終えており、実戦形式のシート打撃などを踏まえコンディション次第では即1軍デビューがありそうだ。
巨人は新型コロナウイルスの影響で丸佳浩(32)、中島宏之(38)、ウィーラー(34)、若林晃弘(27)らを欠き苦しい戦いを強いられている。主砲・岡本和真(24)は不振にあえぎ、新加入の梶谷隆幸(32)は打率2割に満たない。打線の不振は深刻で、チーム打率.218はリーグワーストの数字だ。
スモークとテームズの合流は、現状の巨人に足りないピースを補うものになりそうだ。16日に1軍デビューとなれば、実戦感覚をどれだけ取り戻せるか疑問が残るものの、メジャー通算196発のスモークとメジャー通算96発のテームズが打線の起爆剤となる可能性は十分にあるだろう。
外国人選手充実の阪神は外国人枠問題も
現在4位の中日も助っ人合流が大きな追い風となりそうだ。
ライデル投手とアリエル捕手が13日の巨人戦から1軍に合流。中日投手陣はリリーフ陣の踏ん張りもあり、チーム防御率は阪神と並びリーグトップ。これに守護神ライデルが加わることで投手力がより安定するだろう。また、上肢のコンディション不良のため戦線離脱しているビシエド(32)の穴を埋める人材としてアリエルの存在は大きい。
首位を走る阪神は、4月4日に新外国人メル・ロハス・ジュニア外野手(30)、ラウル・アルカンタラ投手(28)が来日。隔離期間を経て今月下旬にもチームに合流する見込みだ。今季、阪神の外国人選手は充実しており、打撃陣ではサンズ(33)、投手陣ではガンケル(29)、スアレス(30)が安定した成績を残しチームに貢献。外国人枠の問題はあるものの、ロハス、アルカンタラの加入はライバル球団にとって脅威となりそうだ。
リーグ2位の広島は9日に新外国人のカイル・バード投手(27)とドビーダス・ネバラスカス投手(28)が来日。また、ヤクルトの外国人4選手もすでに来日しており、隔離期間を経てチームに合流する予定だ。
開幕から外国人選手不在の戦いを強いられたDeNA。投手陣に不安を残すものの、ソト、オースティンの合流で勢い付くか。そして巨人の新外国人選手が実績通りの力を発揮すれば、チームの浮上に大きな追い風となるだろう。外国人選手の合流で新たな展開が繰り広げられそうだ。