望海風斗、明日海りお... 舞台の外でもファンを魅了、宝塚「華の89期」が残した功績

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   宝塚歌劇団の雪組トップスター・望海風斗さんは2021年4月11日に「fff -フォルティッシッシモ-/シルクロード~盗賊と宝石~」の東京公演千秋楽をもって退団した。

   望海さんは2003年入団の89期生で、この期は望海さんを含めて印象深いスターを輩出し、「華の89期」とも呼ばれた期だ。

  • 宝塚大劇場
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トップスター以外にも才能あふれる

   2003年に合計49人が入団した89期は、男役トップスターが望海さんと明日海りおさん、娘役トップに夢咲ねねさんを輩出した。明日海さんは2014年に花組トップスターに就任すると2019年の退団まで在任5年を務め上げ、高い人気で宝塚を牽引した。

   望海さんは2017年に雪組トップスターに就任する。真彩希帆さんとのトップコンビは歌唱力にたけたコンビとして評価が高く、退団公演までの6作でいずれも息の合った舞台を見せ、昨2020年には望海さんの単独コンサート「NOW! ZOOM ME!!」も開催されている。

   夢咲さんは2009年に星組トップ娘役に就任すると、柚希礼音さんとのコンビで2015年まで星組でトップコンビを務める。大型男役の柚希さんとゴージャスな夢咲さんの長期コンビは「ゴールデンコンビ」とも呼ばれた。

   男役・娘役のトップ経験者はこの3人にとどまったが、スター級の活躍を見せた生徒はこれにとどまらない。スターへの登竜門とされる新人公演の主演を経験した男役は合計6人(明日海さん・望海さん・美弥るりかさん・七海ひろきさん・凪七瑠海さん・蓮城まことさん)、ヒロインを演じた娘役は5人に及んだ(夢咲さん・白華れみさん・羽桜しずくさん・愛花ちさきさん・大月さゆさん)。

   特に宙組と星組に在籍した七海ひろきさんは爽やかな容姿や大らかなキャラクターでファンを集め、星組・月組で活躍した美弥るりかさんは妖艶なたたずまいで観客を魅了、ともに2019年の退団時は多くのファンに惜しまれた。トップスターへの就任人数だけでは推し量れない影響力が89期生にはある。

   望海さんの退団で現在の在団者は凪七瑠海さん(専科)と沙月愛奈さん(雪組)の2人となった。凪七さんはノーブルな男役像を保ちながら、女役を艶っぽく演じることもできる変幻自在さで舞台を引き締める。高いダンススキルを持つ沙月さんは特にショーで長くダンスシーンを支え、今も雪組にとって大きな存在である。

ジェンダーレスな活躍を見せるスターたち

   スターを輩出した期は89期以前にも少なくないが、89期のスターに特徴的なのは在団中からセルフプロデュース力にたけていたことだろう。望海さんは入団前から長年の宝塚ファンだったことを公言しており、CSチャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」の番組でそのタカラヅカ愛を活かした企画に登場、ファンの共感を呼んでいた。

   在団中からアニメ・マンガ好きだった七海さんは在団中からアニメ「ノブナガ・ザ・フール」(2014年)に声優として出演したこともある上、退団後も男役時代のイメージを保ちながら2.5次元舞台・声優・ラジオなどで、男女の役を問わずジェンダーレスに活動している。男役として代えがたい妖艶な存在感を放っていた美弥さんは、退団後は舞台に加えて美意識を活かせるファッション方面での活動も少なくない。

   

   自由に活躍の幅を広げていった彼女たち。このように、在団中そして退団後もスターがどのようにファンを魅了し、自身の望むキャリアを歩むかの好例を示してくれたことも、舞台上の活躍にとどまらない89期の功績でもあろう。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

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