ジェンダーレスな活躍を見せるスターたち
スターを輩出した期は89期以前にも少なくないが、89期のスターに特徴的なのは在団中からセルフプロデュース力にたけていたことだろう。望海さんは入団前から長年の宝塚ファンだったことを公言しており、CSチャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」の番組でそのタカラヅカ愛を活かした企画に登場、ファンの共感を呼んでいた。
在団中からアニメ・マンガ好きだった七海さんは在団中からアニメ「ノブナガ・ザ・フール」(2014年)に声優として出演したこともある上、退団後も男役時代のイメージを保ちながら2.5次元舞台・声優・ラジオなどで、男女の役を問わずジェンダーレスに活動している。男役として代えがたい妖艶な存在感を放っていた美弥さんは、退団後は舞台に加えて美意識を活かせるファッション方面での活動も少なくない。
自由に活躍の幅を広げていった彼女たち。このように、在団中そして退団後もスターがどのようにファンを魅了し、自身の望むキャリアを歩むかの好例を示してくれたことも、舞台上の活躍にとどまらない89期の功績でもあろう。
(J-CASTニュース編集部 大宮高史)