俳優の吉沢亮さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「青天を衝け」第9話が、2021年4月11日に放送され、幕末に活躍した志士・橋本左内役を務める小池徹平さんが「ナレ死」したことが話題になっている。
25歳の若さで斬首刑に
大河ドラマ60作目。主人公は「日本資本主義の父」こと新一万円札の顔としても注目される実業家・渋沢栄一で、2015年後期朝ドラ「あさが来た」で知られる脚本家・大森美香さんのオリジナル作品となる。幕末から明治と、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、近代日本のあるべき姿を追い続けた生涯をエネルギッシュに描く。
小池さんが演じるのは、越前国福井藩の志士・橋本左内(はしもと・さない)。15歳で生きる上で常に念頭に置いておきたい5つの目標をまとめた書物「啓発録(けいはつろく)」を執筆し、のちに蘭学と医学を学んだ学才ある人物だ。その人柄は、かの西郷隆盛も認めるほどで、作中では第15代将軍・徳川慶喜(草彅剛さん)の側用人・平岡円四郎(堤真一さん)とともに、将軍継嗣問題をはじめとする政に介入し活躍。その結果、安政5年(1858年)、大老となった井伊直弼(岸谷五朗さん)による反対勢力の苛烈な弾圧「安政の大獄」にて25歳の若さで斬首され、この世を去った。
「え!? 小池徹平ログアウト!??」
井伊が暗殺された「桜田門外の変」を中心に描かれた今話。開始2分、身を追われる橋本は平岡の宅にて「私がここに出入りしていたことは、どうかこの先誰の耳にも入らぬよう」と言い残し、立ち去ろうとする。すぐさま平岡が追うが、橋本は力強い眼で「あなたは残るのです」と主張。「この左内、もはやなにも怖いものはございませぬ」と覚悟を決めたような表情で何度も頷くと、単身で奉行所の役人たちの元へ向かい、囚われの身となる。
その後、ナレーションによる「安政の大獄」についての説明の際、「橋本左内、吉田松陰など多くの志士を死に追いやり、日本中に暗い影を落としました」と、視聴者の「橋本左内は一体その後どうなっただろうか...」というハラハラをよそに、簡潔にその死が伝えられるのだった。
これまで、出演時間は短いものの、要所要所で重要な立ち回りをしてきた左内。ナレーションで伝えられる死、通称「ナレ死」をしたことに対し、視聴者からは「大物俳優陣の贅沢な使い方。さすが大河ドラマって感じ」「え!? 小池徹平ログアウト!??」「あっさり斬首されて(シーンすらなく言葉のみという...)徹平に癒されていた私の大河は第9回にて終わりました」「仕方ないけど橋本左内の活躍をもう少し見たかったな 凛とした秀才振りが好きでした」などと、惜しむ声が続出している。