松井珠理奈「卒コン」異例演出のなぜ 後輩にステージを譲った理由、「あの総選挙」から読み解く

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「なんでうちらの珠理奈さんがリハ行かないんすか!カッコいい珠理奈さん見せてくださいよ!」

   当然のことながら、1位が確実視されていた松井さんがいないとなれば、リハーサルはストップ。そこで説得に来たのがSKE48のメンバーだった。

「で、たぶんね、珠理奈がいない、珠理奈がいない、リハ始められない、ってなったんでしょうね。そしたらね、メンバーがね、全員部屋に来てくれてね、『なんでうちらの珠理奈さんがリハ行かないんすか!カッコいい珠理奈さん見せてくださいよ!』って、泣いてる私にみんなが駆け寄ってきてくれて...。本当に多分全員来てくれたよね、あのときね、めっちゃ...。それでみんなに引っ張られて、ナゴヤドームのステージのリハに立てて。みんな下から、なんかいっぱい応援してくれて...」

   松井さんはコンサートの本番で倒れて退出。その後の開票イベントには出演したものの、18年7月から9月にかけて療養に専念するため活動休止を余儀なくされた。それでも、「もし、あれがなかったら、もっと早く多分倒れていたし、多分総選挙いなかったと思います。それぐらい、気持ちも体も辛かったです」。

   当時の厳しい状況を思い出したのか、須田さんや大場美奈さん(29)は表情を曇らせ、涙もあふれた。そんな中で、松井さんはメンバーへの信頼感が卒業への決意につながったことを明かした。

「でも、それを一番分かってくれるのは多分メンバーだから、メンバーが私の後を、こうやってちゃんとついて来てくれたプラス、なんかいつの間にかメンバーに引っ張られてきたんだなと思ったら、なんかすごい頼もしくて...、本当にね、みんなが頼もしくて、だから卒業を決められました。みんなありがとう」

   松井さんはステージ上のメンバーに深々と一礼。メンバーが作った花道を歩いてステージを後にした。

   コンサートでは、松井さんが曲の間に10センチ以上も髪を切ったり、同期の1期生11人が出演したりするなどサプライズも多数だった。松井さんの退出後にステージに残ったメンバーは、新曲「オレンジのバス」を初披露。松井さんが作詞した未発表曲で、やはりサプライズ演出でコンサートは締めくくられた。

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