ゴルシポーズへの反響、どう受け止めた?
――さて今回、オタクレーサー・小野寺選手が優勝して「ゴルシポーズ」を決めたことについて、ロードレースファンだけでなくアニメファンたちからも注目が集まりました。このような反響についてどのように受け止めておりますか。
「正直自分自身でもびっくりしていて。今までも同じように『オノデライダーポーズ』を披露してきたんですけれども、今回のリアクションは桁違いでした。自転車業界にとどまらず、アニメファンの方々もすごく反応してくれているのはすごく嬉しかったですね。
これまでにもアニメ好きということをアピールしてきたのですが、なんせマイナーな業界なのでなかなか見てもらえませんでした。それが今回『ゴルシポーズ』で話題にしていただけて、いろんな人の目に触れ、『アニメ好きのプロ選手がいるんだな』と認知度が上がったことはすごく嬉しく思います」
――これまでの「オノデライダーポーズ」はどんな作品を参考にしていたのでしょうか。
「初めは仮面ライダー1号のポーズでしたけど、アニメ作品以外もあって、マイケル・ジャクソンや、フィギュアスケートのポーズを参考にしたときもありましたね。アニメ関連でいうと、『ジョジョの奇妙な冒険』の立ちポーズを参考にしたこともありますし、昨年の同じレースでは『坂本ですが?』っていう作品から、本当にマニアックなシーンの一部を抜粋して、ポーズを決めたこともあります」
――ファンの方からは気づいてもらえましたか。
「本当にごく一部の方に気づいた方がいらっしゃったんですよ。たぶん分かんないだろうなと思ってブログで紹介したんですけどね」
――今後披露したい「オノデライダーポーズ」のストックはあるのでしょうか。
「そうですね、ストックがそんなにある訳ではありません。アニメなどを追いながら、タイムリーになっているちょうどいいポーズがあればすぐに自分に落とし込んでいます。 また勝つときは必ずなにかしらのポーズを用意しておきたいので、そういったインスピレーション元としてもアニメを見るのが日常生活になっていますね。」
――それでは、アニメをきっかけに小野寺選手に興味を持った人々向けに、自転車ロードレースの魅力をお聞かせいただけますか。
「自転車ロードレースは選手と観客の距離がより近く、五感を使って楽しめるスポーツです。身近な乗り物である自転車が、考えられないようなスピードで走り抜けていく。それに伴う風圧だったり、選手の息遣いだったり、ブレーキの臭いだったり、そういった迫力を感じられると思います。
また僕みたいに乗り物好きな人は、メカの面で好きな人もいます。F1などのモータースポーツのマシンは、一般の人がプロと同じものを手に入れることは困難だと思います。しかし自転車についてはプロ選手が使っているものと同等のスペックのものを普通の人でも買えます。プロ選手と同じ機材を使って、同じように楽しめるというのが、機材好きの人にとっては面白い要素かなと思っています。
それと、どんな世界にもアニメ好きやマンガ好きはたくさんいます。とはいえ、アニメを原動力にしている選手はなかなかいないと思います。ロードレースには、好きすぎてポーズまでとっちゃう変な選手がこの世界にもいるんだよというのを、これを機に知ってもらえたら嬉しいです」
――最後に今後の抱負についてお聞かせください。
「レースに勝つ。ポーズをする。これが今後の抱負、目標になります。
新しいポーズをするためには、またレースに勝たなければならない。やっぱりそういうのがモチベーションに繋がっていますね。
また今回のようなクリテリウムでは勝ったことがあるんですけれども、もっと距離の長いロードレースではまだ勝ったことがないので、そういったロードレースでも勝ちたいです」
小野寺選手は、次の目標に向けてまた新たなアニメを視聴し始めた。記者もお気に入りのアニメ「だがしかし」。取材時にポーズが面白いと小野寺選手に勧めたところ4月7日、すっかり気に入ってしまったとブログで報告していた。いつかゴールの先で「だがしかし」のポーズを披露する小野寺選手を見ることができるかもしれない。
影響されやすい僕 - オノデライダー戦記 https://t.co/YM0qcYYeRp
— 音速戦士オノデライダー(CV:小野寺 玲/REI ONODERA) (@maverick_rei) April 7, 2021