同人誌印刷所の苦境に「少しでも足しになれば」 映画パンフ制作に抜擢、配給会社が粋な発注

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大好評のパンフレット、そのこだわりは?

   そんな栄光が印刷・製本を手掛けたパンフレットの売れ行きは好調で、映画館では完売が相次ぎ、増刷も行われた。TCエンタテインメントによると、上映回によってはほぼすべての観客が購入していったという。

「映画パンフ、特に洋画パンフは一般的に来場者の10-20%の購入率なのですが、本作は約50%のお客様にご購入いただきました。コアファンに喜んでいただけるものが出来てよかったです」

   担当者は、パンフレットのこだわりについてこう話す。

「パンフとしては異例の64Pの厚さで、表紙もそれに相応しい豪華なものにできればと栄光さんに相談しました」

   SNS上では、パンフレットの内容はもちろん、特殊加工の施された豪華な表紙などの製本や印刷も好評だった。

   表紙には、「エンボスニス加工」という特殊印刷が用いられている。2種のニスを用いることで、ザラザラした凸凹部分とツヤツヤした光沢部分が生まれるというものだ。栄光の担当者によれば、「様々な特殊加工に対応する同人誌印刷業界でも珍しい加工」だという。

   実際にパンフレットを光に当ててみると、表紙のロゴ部分やデロリアン(劇中に登場する車)のナンバープレートはツヤツヤと光るのに対し、パンフレット全体はザラザラとした重厚感を感じるようなデザインとなっている。さらに裏表紙では、ロゴをカラー印刷ではなく質感の違いで浮き出させていた。

「エンボスニス加工」という特殊印刷が用いられている
「エンボスニス加工」という特殊印刷が用いられている

   TCエンタテインメントの担当者は、手に取ってみてほしいと話す。

「公開が昨年12月で、コロナ禍で劇場に来られなかった方も多くいらっしゃいました。当初劇場限定で販売していたパンフも現在は通販も開始しましたので、そういった皆様にも読んでいただけたら嬉しいです」

   21年4月1日から始まった通販も非常に好評だそうだ。

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