「これまで大きな同人誌即売会でクラスターもコロナも発生した例はありませんので、そういった意味では(収容人数)上限の撤廃をしても良いのではないか。このことをきちっと議論すべき」
漫画・アニメの表現規制反対の活動などで知られる山田太郎参院議員(自民党)は2021年4月5日、自身のユーチューブチャンネル上でこう訴えた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、開催が厳しくなっている同人誌即売会の支援を行っていきたいという。
収容人数上限の見直しはなぜ必要なのか、J-CASTニュースは山田氏にメールで取材した。
収容人数上限によって、実質的に会場費が普段の倍以上になってしまう
政府は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、イベントの開催制限を行っている。緊急事態宣言対象地域では最大5000人、宣言解除後の約1か月間の経過措置期間中は最大1万人、それ以外は最大収容定員50%以内という収容人数上限が定められている。
そうした中で多くの同人誌即売会も、中止や延期、規模の縮小を余儀なくされている。年2回開催される世界最大級の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」も第98回の開催を断念。2020年はコミケが始まって以降、初めての「コミケのない年」となった。
こうした状況を受けて、コミックマーケットなどの同人誌即売会が幹事を務める「DOUJIN JAPAN 2020」は3月29日、超党派による「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟(略称:MANGA議連)」の総会に参加し、その窮状を訴えた。その中で、収容人数の見直しなどを要望している。
冒頭の山田氏の発言は、この動きを受けたもの。なぜ収容人数の見直しが必要なのか。山田氏は9日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。
「収容人数上限があると、実質的に会場費が普段の倍以上かかるということになってしまいます。
同人誌即売会の開催費用に占める会場費の割合は小さくありませんので、厳しい収容人数上限のもとでは、現実的に開催を断念せざるを得ないということになってしまいます。 また、厳しい収容人数上限があると、参加者のみで上限に近い人数となり、ほとんど来場者を呼べないということにもなりかねず、そういった点からも開催できなくなるおそれがあります」