自身デビュー23周年となる2021年4月8日、歌手の浜崎あゆみさん(42)がバラードベスト「A BALLADS 2」を発売した。浜崎さんとしては自身2枚目となるバラードベストで、2003年から2020年にかけて発売されたバラード曲の中から選ばれた30曲が収録されているが、併せて、もう1曲、松任谷由実さんの「春よ、来い」がカバー曲として収録されているのだ。
1994年度に1年間にわたって放送されたNHK連続テレビ小説「春よ、来い」の主題歌として知られる同曲が、浜崎さんのバラードベストに収録されたことに、ネットでは「浜崎あゆみ嫌いじゃないし、寧ろ歌は好きだけど、なぜ歌った?」といった声が上がるなどしている。
浜崎さんがこのタイミングで「春よ、来い」を歌った理由は、どこにあるのだろうか。デビュー時からあゆを追ってきた記者が考えた。
愛しき人への変わらぬ思いがテーマ
浜崎さんは、以前から松任谷さんをリスペクトしていることを明かしていた。2003年4月に出演した「ミュージックフェア」(フジテレビ系)ではそのことを明かしつつ、同曲をカバー。また、同年3月に発売した「A BALLADS」では松任谷さんの「卒業写真」をカバーして収録しており、この点もまた、松任谷さんへのリスペクトとして話題になっていたのだ。
というわけで、浜崎さんが「春よ、来い」を歌うのは実に理由があることだということが分かる。ただ、浜崎さんのカバー版や、それに付随するミュージックビデオを視聴していると、果たして理由はそれだけなのかといった疑問も湧いてくる。
それは、「春よ、来い」を、浜崎さんが「今」歌う必然性とは何なのだろうかという疑問である。
同曲は特にその2番において、時を超える恋心を描く箇所があるほか、全体を通しても、やはり、愛しき人への変わらぬ思いがテーマと言える楽曲とされている。それを、2021年4月8日発売のバラードベストに収録して発売するのはもちろん、それに先行して3月12日から同曲の配信とミュージックビデオを公開するということは、浜崎さんにとって、この3月、ないし、4月に恋心を歌う曲をリリースする理由があったということになる。そう考えると......確かに1つ、それと思しき出来事があったことに気付く。
長瀬さんへの時を超えたメッセージ?
3月31日付でジャニーズ事務所を退所したのは元TOKIOの長瀬智也さん(42)。
長瀬さんといえば、2001年に浜崎さんとの交際が発覚して以来、2007年までその交際が続いていたとされるが、その破局の原因として、当時、浜崎さんのファンから上がっていたのは、長瀬さんがジャニーズ事務所から浜崎さんとの結婚に反対されており、それが原因で2人は別れてしまったのではないかという憶測だった。およそ、何の根拠もない言説ではあるが、浜崎さんのファンの間では妙なリアリティーを持った「通説」となっていた時期があったのだ。
翻って、今回、長瀬さんがジャニーズ事務所を退所した日付に近似した日程で、浜崎さんが「春よ、来い」をリリースしたわけだが、これらの情報を知っていると、あたかも、何かつながりがあるかのようにも見える。
偶然だろうが、長瀬さんの主演ドラマ「俺の家の話」(TBS系、1月22日~3月26日放送)では、松任谷さんが歌う「BLIZZARD」が何度も流れた。長瀬さん演じるプロレスラー・寿一のテーマ曲として使われていたのだ。
もちろん、浜崎さんが何を思ってこの時期に同曲をリリースしたかなどということは本人にしか分からないことだが、長瀬さんの事務所退所が2020年7月に発表されていたとことを考えると、それを知ってから浜崎さんが同曲のカバーに向けて動いたとしても、十分な時間があったであろうこともまた事実だ。
そう考えると、今回リリースされた「春よ、来い」のカバーは、浜崎さんから長瀬さんへの時を超えたメッセージだという見方も出来るのではないだろうか。
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)