近畿大(大阪府東大阪市)の教職員組合が、授業の過密ぶりに危機感を覚え、大学側に改善を求めている。
同大では今年度から対面授業を原則としている。履修登録期間中ということもあり、一部授業で想定以上に学生が集まってしまった。
大阪は感染者急増中...
大教室に大学生がところ狭しと並び、"密"状態に――。近畿大教職員組合は2021年4月7日にツイッターで、同日から始まった授業風景を写真で伝えた。
組合は「フル定員での教室使用なのでこのような密集状態となっています」と状況を説明し、「対面とオンラインをうまく併用すれば、このようなことにならずに済むのですが、この状態では危険です」と訴えた。
投稿は広く拡散し、「大阪は感染者急増中ですから、特に心配です」「対面かオンラインかの議論以前に、この人口密度の高さは今すぐ解消しなければならないのでは」などさまざまな意見が寄せられている。
大学広報室は8日、J-CASTニュースの取材に「写真を見てご不安に思わる方も多いと思いますが、昨日のうちに対策会議を設けました」と話す。
当該授業は教員判断で取りやめに
近畿大では昨年前期はオンライン、後期は対面と組み合わせ、今期からは学生や保護者の要望を受けて対面授業を原則とする。
対面授業にあたっては、医学部の教員や外部の専門家の意見を踏まえ、全教室に換気扇や二酸化炭素濃度計を配置するなど感染対策を強化したという。
現在は履修登録期間中で、授業には通常よりも多くの生徒が出席する。写真の授業は興味のある学生が多く、「想定以上の人数が集まってしまいました」。教員の判断で授業は取りやめた。
「(対策会議後に)写真のような授業はすべてオンデマンドもしくはオンラインに切り替えました。履修登録期間であっても授業人数は適切な数にして、万が一混雑が起きた場合には大教室に入れ替えたり、教員の判断でその日は打ち切ったりと対応を取っています」(広報室)