韓国は「残念に思う」、米国は「コロナ対応と整合」 北朝鮮の「東京五輪不参加」めぐる両国の温度差

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「不参加決定が最上部次元の決定を前提としたのか、追加の分析が必要」?

   外務省の崔泳杉(チェ・ヨンサム)報道官は,

「日本がコロナ防疫対策を講じながら五輪を開催することを支持している。五輪は世界の平和の祭典だ。今後、時間も残っているので、北朝鮮が参加することを期待する」

と述べ、再考への期待感を前面に押し出した。

   IOCは東京五輪の延期を受けて、各国予選の締切日を21年6月29日、選手の出場登録締切日を7月5日にすることを20年7月に決めている。言い換えれば、6月29日までに北朝鮮が各種目の予選を行って結果を確定すれば東京五輪に出場できるということになり、最終的な判断までの猶予は、あと2か月半ほどある。

   この2か月半の情勢が北朝鮮の意思決定に影響しうるとの見方もある。聯合ニュースは、統一省や外務省の反応を伝える記事の中で

「ただし、政府内には、まだ朝鮮中央通信など国営メディアに関連報道がないという点で、北朝鮮オリンピック委員会総会の不参加決定が最上部次元の決定を前提としたのか、追加の分析が必要であるとの見方もあることが分かった」

とも報じている。4月8日夕時点で、朝鮮中央通信や労働新聞のような国営メディアでは、東京五輪への参加見送りについて報じていない。にわかには信じがたいが、金正恩総書記の了承を得ずに五輪不参加を決めて発表した可能性がある、という見立てだ。万が一この見立てが正しければ、金氏の判断によっては不参加が覆る、とも解釈できる。

   北朝鮮は3月25日、約1年ぶりに弾道ミサイルを発射。仮に翻意の可能性があるとすれば、日米韓に対して揺さぶりをかけながら、五輪参加がどの程度外交上の利益につながるかを見極めるとみられる。

   韓国とは対照的に、米側の反応は冷淡だ。国務省のプライス報道官は4月6日(米東部時間)の記者会見で、北朝鮮の五輪不参加が米朝間の非核化協議に与える影響を問われ、不参加の決定について

「北朝鮮の新型コロナに対する厳しい対応と整合していると思われる」

と論評。その上で

「朝鮮半島とインド太平洋全域の平和と安全という共通の目標に向けて、北朝鮮問題について韓国・日本と引き続き緊密に連携していく」

などと一般論を述べた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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