なぜ彼女は「JRに乗車拒否された」と訴えたのか 波紋ブログの真意、伊是名夏子さんに聞いた

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「80キロの電動車イスは、危険もあるが、対応を考えて提案を」

――伊是名さんが使っておられる電動車イスは、何キロあるのでしょうか?

伊是名: 私のは、普通の電動車イスですが、80キロあります。ですから、申し訳ないので、私としても持っていただきたくないです。怖いですし、駅員さんの体のことももちろん心配ですので、本当にやりたくないです。私の場合は、ヘルパーさんに抱っこしてもらって、私が乗っていない状態で持ってもらいました。人が乗ると、100キロは超えるのが普通です。

――今回は、熱海駅の駅員4人が車イスを持って来宮駅の長い階段を上り下りされたわけですが、足を滑らせるなどの危険があるほか、イベントなどで駅が混んでいたりすることもありえます。いつでも駅員が対応できるとは限らないと思いますが、どう考えますでしょうか?

伊是名: 例えば、合理的配慮として、利用できないと言うのではなく、旅行に支障があるものの、混まない時間に来て下さいとか、この時間だったらお手伝いできますとか、JRとして対応を考えて提案していただきたかったです。駅員さんは、車イスの人が来るという想定がなされていないというのが、私の中で疑問に感じたところですね。駅の方は、イベントがあると警備員を配置するなどの安全対策を考えると思いますが、そのときに、車イスや高齢の人、ベビーカーの人もいると想定をして準備しているのでしょうか?やはり、大多数の歩ける人用の準備はメインにするが、あまり考えてくれないことが多いですね。その中の1つの例として、新宿駅では、車イスユーザーがほぼほぼ使えるのは、南口だけなんですね。エレベーターが全部のホームに付いているのは南口だけで、西から入ろうと東から入ろうと、南に回らないとホームには上がれないという状況があります。バリアフリーが進んでいるように見えて、実際は進んでいません。1つルートがあればOKということになっています。
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