なぜ彼女は「JRに乗車拒否された」と訴えたのか 波紋ブログの真意、伊是名夏子さんに聞いた

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   静岡県内の無人駅「来宮駅」で車イスの階段移動を巡ってトラブルになったことについて、コラムニストの伊是名夏子さん(38)がJ-CASTニュースの取材に応じ、当日の状況などを改めて説明した。

   JR東日本横浜支社では、「乗車拒否とは認識していない」としたが、伊是名さんはこれに反論した。駅員の意識が十分ではなく体制に問題があるとして、障害者への合理的配慮が「努力義務」とされる障害者差別解消法にしっかりと対応すべきだとも訴えた。

  • Zoomでのインタビューに応じる伊是名夏子さん
    Zoomでのインタビューに応じる伊是名夏子さん
  • Zoomでのインタビューに応じる伊是名夏子さん

「事前に調べるべきはごもっともだが、『案内できない』の1点張りだった」

   伊是名さんには、ウェブ会議サービス「Zoom」を通じて、2021年4月7日にインタビューし、ネット上で出ていたいくつかの疑問について話を聞いた。

――来宮駅には、下りのホームに階段がないのではとお思いになって行こうとされたとのことですが、今考えれば、事前にJR側に確認すべきだったというお考えはないですか?

伊是名: JR来宮駅で検索すると構内図が出てきて、それには、階段があるのは分かったんですけど、1階という書かれ方しかなくて、無人駅かどうかも分かりませんでした。私の見方も間違ったんですけど、片方側に階段が付いているのかなと考え、長い階段があるとは思っていなかったです。5段ぐらいの階段かなとは思っていました。そういう場合があったとしても、いつも駅員さんが集まってくれて持ち上げてくれるし、介助者もいたので、さほど問題はないかなと思って行きました。そうだとしても、「もっと調べるべきだったんじゃないか」とか、「あなたが間違ったんでしょ」という意見があるのもごもっともです。ただ、私が間違っただけだったら、ブログに書いたりメディアを呼んだりすることはしませんでした。

――では、なぜブログに書いたりメディアを呼んだりしたのでしょうか?

伊是名: 今回、小田原駅の方は多分、一番最初は、来宮駅に階段があるとか無人駅とか分かっていなかったと思うんですね。やっと分かったところで、「ああ、案内できません」と軽く言われたので、「じゃあ、お願いします」と言いましたが、一方的に、案内できません、人なんて集められません、と言われました。ちょっとこれは交渉しないといけないなと思って1時間交渉しましたが、何も変わらなかったので、メディアに連絡をしました。車イスの人はたいてい、階段がある駅でも、申し訳ないんですが、駅員さんに持ってもらうのが普通の形です。持ってもらうにしても、1時間後に来て下さいとか、他のルートを用意するとか、別の方法はあったのではとも思います。こういう状況はよくあるので、毎回駅員さんと話をしながら進めているのが普通なんですが...。
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