「俳優」「女優」メディア表記なぜ混在? 秋元才加ツイートから考える肩書の難しさ

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   アイドルグループ「AKB48」の元メンバー・秋元才加さん(32)が、「女優」ではなく「俳優」と紹介して欲しいと訴えている。

   強要するつもりはないものの、「自分にとっては大事な表記なので、記者やライターの方も出来ればきちんと表記を確認して頂けると嬉しい」としている。

  • 秋元才加さん
    秋元才加さん
  • 秋元才加さん

「フラットに考えたいと思った」

   秋元さんは2021年4月6日、自身が主演する演劇「スーパーフラットライフ」を取り上げた記事に対し、「私の肩書き表記を俳優表記にして頂けますと幸いです。ここ最近は俳優表記をお願いしています」とツイッターで依頼した。記事では女優として紹介されていた。

   秋元さんはその意図を「私は女優って肩書きが正直しっくり来なくて色々フラットに考えたいと思った結果、時代の流れもあり俳優表記を事務所の方にお願いしました」と説明する。演劇は、ジェンダーの視点から従来の結婚観を再考する内容で、その点からも性別にとらわれない表記が好ましいという。

   「広辞苑」第七版では、俳優を「演劇・映画などで、その中の人物に扮して科白・身振り・表情をもってこれを演じることを職業とする人」と定義する。

「他の肩書きの方々を否定するつもりもありませんし、皆さん人それぞれの選択があると思っています。『私は』この選択をして、 こうして下さると嬉しいな、といった感じです」
「自分にとっては大事な表記なので、記者やライターの方も出来ればきちんと表記を確認して頂けると嬉しい。多分無意識で女優って表記にして取材をまとめてる記者の方々結構いそう。ジェンダー系とかセクシャリティについて取り上げる方々は特に注意して頂けると助かります」(秋元さん)

「俳優」統一が難しい理由

   報道媒体は「俳優」と「女優」をどう使い分けているのか。

   秋元さんの結婚報道(20年6月)では、ウェブメディアの多くは「女優」表記、新聞・通信社は「俳優」(毎日、共同)、「女優」(朝日、産経、読売)だった。「俳優」表記をした媒体も、別の記事では「女優」を使っており、明確な決まりはないとみられる。新聞用字用語集「記者ハンドブック」(第13版・共同通信社)でも言及がない。

   毎日新聞校閲センターのブログ記事「女性の『俳優』と『女優』 なぜ混在?」(16年5月公開、20年9月更新)によれば、同社は「かつてよりは女性の方についても『俳優』と書くことが増えていると思います」という。

   一方で、「プロフィルの記事では映画賞や演劇賞などの受賞歴を紹介することが多いのですが、多くの賞の名前が「女優賞」「男優賞」となっているので、どうしても混在することになってしまいます。一律には決められず、記事のいろいろな要素を考慮してケース・バイ・ケースというのが現状なのです」と俳優表記への統一は難しいとする。

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