「おしん」、2度もボツに 橋田さんが明かしていた「裏話」

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橋田さんの「密かな目論見」とは

   そして三つ目。橋田さんは『渡る老後』でこう記している。

「天皇陛下に同世代の女性がどのような思いでこの時代を生き抜いてきたか、見てほしいという密かな目論見がありました」

   果たして、見てもらえたのか――。

   「おしん」を放映していた1983年8月30日、天皇陛下(昭和天皇)は静養先の栃木県・那須御用邸で宮内庁記者団と会見した。記者から「おしん」の質問も出た。毎日、日経、産経などが翌日、その様子を報じている。

「『始終見ていますが、当時のそういうこと(女性の苦労)はあまり知らなかった』と苦笑された」(毎日新聞)
「当時の女性の苦労については大ざっぱにしか知らなかったが、ドラマを見て苦労を詳しく知ることができました」(産経新聞)
「当時の女性の苦労をよく思い出しました」(日経新聞)
「当時の女性の苦労を実感しました」(北海道新聞)

   各紙で多少ニュアンスが異なるが、見てもらえたことは確かだった。

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