俳優の吉沢亮さんが主演を務めるNHK大河ドラマ「青天を衝け」第8話が、2021年4月4日に放送され、歴史が苦手な人にもわかりやすい展開、かつ人物を掘り下げる描写に称賛の声が多くあがっている。
栄一結婚も、江戸では大きな動きが...
大河ドラマ60作目。主人公は「日本資本主義の父」こと新一万円札の顔としても注目される実業家・渋沢栄一で、2015年後期朝ドラ「あさが来た」で知られる脚本家・大森美香さんのオリジナル作品となる。幕末から明治と、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、近代日本のあるべき姿を追い続けた生涯をエネルギッシュに描く。
第9話では、栄一と千代(橋本愛さん)が結婚。一方、幕府では、大老になった井伊直弼(岸谷五朗さん)が、自由貿易の許可などを取り決めた「日米修好通商条約」をアメリカ合衆国と結ぶが、調印は違勅(天皇の意思に反していること)だと大問題に発展する。井伊に意見した尊王攘夷や一橋派の大名・公卿・志士(活動家)、ひいては徳川慶喜(草彅剛さん)やその父・斉昭(竹中直人さん)には処分が下され、世に言う「安政の大獄」と呼ばれる苛烈な弾圧が始まる。次回は、慶喜らの処分に反感を抱いた者たちによる井伊暗殺事件「桜田門外の変」が描かれる。
「正直、生まれて初めて井伊直弼に共感を覚えた」
開国派として、日本に不利益をもたらす日米修好通商条約に調印し、強権をもって安政の大獄を断行した井伊。これまで多くの作品では、通称「井伊の赤鬼」とも呼ばれる彼の冷徹非道ぶりがフォーカスされてきた。
しかし、本作では亡き14代将軍・家定からの「慶喜を処分せよ」との遺言や、気弱な性格ゆえ我を失ってしまう気の毒な人物として描かれ、あくまで「巻き込まれてしまった人」という描き方がされている。視聴者からは、「こういう解釈の井伊直弼は新鮮でした。おもしろい!人間味があって好きになりそう」「正直、生まれて初めて井伊直弼に共感を覚えた」などと反響があがっている。
また、平和で多幸感溢れる栄一パートと、今後に暗雲がたちこめた慶喜パートという対比する演出や、テンポのいい展開、それぞれのキャラクターが立った登場人物...など作り手の「伝えたいこと」が詰まった内容に対し、
「歴史が苦手でこれまで大河を避けていた私にも分かりやすく、もっと幕府側をじっくり見たいと思ってしまうぐらい面白い」
「歴史に弱く名前が聞いた事あるレベルの私にも何とかついていけてる。 徳川慶喜も井伊直弼も渋沢栄一も 他に登場した人物も私の中では こんな人だったのねと思えてる」
「教科書では数行で書かれることが立体化していくの、見事だった」
などと、歴史が苦手な人にもわかりやすい演出にあっぱれの声が多くあがっている。