台湾パイナップル「産地偽装」騒動の顛末 地元紙の「勘違い」が日本で拡散...店舗側が反論する事態に

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   台湾産パイナップルに「産地偽装」騒ぎが起きている。

   台湾大手紙の「自由時報」が、日本の通販サイトで台湾産として売られているパイナップルについて、その段ボールのロゴを理由に「中国・アモイの業者が販売しているパイナップルだと分かった」と指摘したためだ。

   記事では店舗名は登場しないが、写真などから容易に特定可能だ。そのため、店舗側は検疫証明書をつけて反論。自由時報は指摘を受け、事実上の訂正記事を配信した。騒ぎは日本の有名まとめサイト「保守速報」でも拡散されていたが、店舗側の反論が出たことで「お詫び」を出した。

  • 台湾大手紙の「自由時報」の初報。日本の通販サイトで台湾産として売られているパイナップルについて、その段ボールのロゴを理由に中国産の可能性を指摘していた。4月5日夕時点でも掲載されたままだ
    台湾大手紙の「自由時報」の初報。日本の通販サイトで台湾産として売られているパイナップルについて、その段ボールのロゴを理由に中国産の可能性を指摘していた。4月5日夕時点でも掲載されたままだ
  • 台湾大手紙の「自由時報」の初報。日本の通販サイトで台湾産として売られているパイナップルについて、その段ボールのロゴを理由に中国産の可能性を指摘していた。4月5日夕時点でも掲載されたままだ

中国業者が低価格で参入し「台湾業者も値下げを余儀なくされた」

   中国が台湾産パイナップルの禁輸に踏み切り、日本では台湾産パイナップルを買おうという動きが広がっている。問題になったのは「自由時報」が2021年4月3日早朝に

「一部の中国の青果業者は、日本の通販サイトで中国産パイナップルを『台湾産』と装って低価格で市場を奪い、本物の台湾産パイナップルが低価格競争を強いられている」

などとして配信した記事だ。

   記事では、通販サイトで「台湾パイナップル」と検索すると、「台湾応援」を掲げたページにたどりつき、そこでは「日本の家庭が台湾パイナップルを買うということは、台湾を支援することになる」などとうたっていたと説明。その上で、サイト上の商品写真を根拠に、中国産のパイナップルが売られている可能性を指摘した。

「段ボール箱のロゴを見ると、これは中国・アモイの『鑫金鷺』が販売しているパイナップルだと分かった」
「台湾のパイナップル輸出業者からは、3月に『鑫金鷺』が日本の通販サイトに超低価格で参入し、台湾業者も値下げを余儀なくされたとして不満の声があがっていた」

   さらに、「農委会、日本側に調査を依頼」の見出しで、日本の農水省にあたる行政院農業委員会が

「同様の話を聞いたことはあるが、最近の段ボール不足が原因である可能性も否定できない」
「海外で販売されている中国産の偽装パイナップルへの対応は検討中」

などとコメントしたことも紹介している。記事では、背景として

「台湾の輸出業者は、中国向けのパイナップルに使っていた段ボールを(他国向けにも)使っている」

とも指摘。「最近の段ボール不足」の結果として、中国向けの段ボールが日本向けにも使われていた可能性を伝えている。

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