巨人・井納翔一が新天地での初登板。待ち受けていたのは悪夢だった。
2021年3月31日の中日戦(バンテリンドーム)。プロ最短の1回0/3、5安打4失点KO。まだ1試合の登板だったが、試合後に2軍降格が決まった。
不安視されていたここ数年の成績
内容が悪すぎた。
初回に3点の援護を受けてマウンドに上がったが、決め球がことごとく甘く入る。大島洋平、阿部寿樹に連打を浴びて無死二、三塁のピンチを作ると、高橋周平に右前へ2点適時打を浴びる。続くビシエドにも右前打で4連打と歯止めが利かない。平田良介は遊ゴロ併殺に仕留めたが、三塁走者が生還して同点に追いつかれた。
仕切り直しの2回も立ち直る兆しがない。先頭の木下拓哉に左中間へ二塁打を許し、無死二塁にピンチを作ったところで原監督は我慢の限界だった。投手交代を告げると、井納は肩を落として三塁ベンチに下がった。
この回に救援した高木京介が根尾昂に適時打を浴びて勝ち越しを許す。井納の乱調が響き、チームは今季初黒星を喫した。
DeNAから昨オフにFAで移籍した井納には懐疑的な見方が少なくなかった。
身長188センチの長身からしなやかなフォームで直球、フォーク、スライダー、カットボールとすべての球の質が高い。本格派右腕として能力は他球団のエースと見劣りしないが、昨年までの通算8年間で2ケタ勝利は14年の11勝のみ。18年以降は1軍とファームを行き来し、投球回数は3年連続で100イニングに到達していない。