YOASOBI「夜に駆ける」が若者に刺さったワケ サウンド面から見える「時代性」とは

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常識では考えられない?ピアノのフレーズに注目

YOASOBIのコンポーザー・Ayaseさん(左)、ボーカル・ikuraさん(右)
YOASOBIのコンポーザー・Ayaseさん(左)、ボーカル・ikuraさん

◆動きまくりのピアノにBUCHIAGARU!!

   こちらの楽曲を聴いてサウンドの要になっているのはピアノだと思うのですが、こんなに曲の中でピアノのフレーズが動いて主張している楽曲、なかなか聴かなくないですか?

   特に2番のAメロでメロディが16分音符で刻みながら、裏でピアノがメロディと同じく16分音符で動いている箇所、はじめて聴いた時はかなり驚いたのですが、フレーズがとてもいいのでスッと入ってきますし、何より情報量が非常に多いので聴いていて満足度がとても高いなと感じます。

   ベースやドラム、ギターなどでサウンドを安定させて、その上でピアノは遊びまくっていて、歌の邪魔になりそうなものですが意外と邪魔にもなっておらず、ボーカル・ikuraさんの声と非常に相性のいい音色だなと思いますし、これだけピアノの音を詰め込んでも成立させられるのは、作曲したコンポーザー・Ayaseさんのセンスあってのことですよね。

   多分同じようなことを他の人がやると、「これYOASOBIっぽいね~。」って言われちゃうくらい、このサウンド感とフレーズ感は唯一無二のものだなと思いますし、YOASOBIの楽曲で使われているピアノの音、Ayaseさんのインタビューで読んだのですが、音楽を作るDAWというソフトに最初から付属している音で作っているそうで、「それだけでここまでできるんだ!」と驚きました。

   世の中には沢山の音楽が溢れており、その中でヒットする楽曲には人々を刺激するようないい意味での違和感みたいなものが入っていることが多いと思うのですが、この「夜を駆ける」にもそのような仕掛けが施されおり、作り手として非常に勉強になります。

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連載:MUTEKI DEAD SNAKEのBUCHIAGARU!! music

音楽作家のMUTEKI DEAD SNAKEが、今話題の楽曲や名曲のいいなと思うポイント、つまり『BUCHIAGARU!!』要素を解説する連載です。本人曰く「性格的にはそんなにBUCHIAGAってはいないです」Twitter→@mutekideadsnake
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